遺言書にない子供名義の預金がでてきたら?

子供名義の通帳 相続

遺言書は、亡くなった方の相続財産を引き継ぐための大事な情報です。

遺言書そのものが、法律上の要件を満たしていない場合もありますが、分割内容について兄弟間で争いが起きるなど、相続に関するトラブルは後を絶ちません。

私が金融機関に在籍していた当時、そして現在に至るまでに受けた相談のなかで、なかなか難しい相談の一つが相続です。

FPや宅建士の資格の範囲内でのアドバイスなので、弁護士や税理士との連携で解決していくわけですが、亡くなった方の財産が多くなるほど円満解決は難しくなるのは間違いありません。

それに、所有財産が多すぎて本人が把握していないことも・・・。

終活のプロセスのなかでも、”遺族にどのような配分で相続させるか”は、とても重要なテーマです。

常に、最新情報にもとづいて自分の財産を整理しておく必要がありますが、財産が多くなると自分ですべてを把握するなんて、不可能に近いですね。

遺言書に書かれていない子供名義の預金

遺言書に、亡くなった方の生前の財産がすべて記載されているとは限りません。遺品などを整理していて、遺言書に書かれていない通帳が出てくることがあります。

将来のことを考えて、子供名義で作った通帳でしょう。子供も、そんな預金の存在は知りません。

子供が1人であれば、財産の分割は配偶者と話し合いだけで割とスムースに解決するでしょう。しかし、子供が2人以上の場合、簡単には話がまとまりません。

3人の通帳の金額が違っていたら?

3人の子供がいたとして、親としてはそれぞれ均等に積み立てていた預金のはずなのに、3人に残された金額が違うことはよくあります。

なぜでしょう?

理由は、預金通帳を作成するタイミングが違うからです。子供が生まれた時、あるいは子供が小学校へ入学したときなどに、お祝いや将来の教育費などに備えて通帳を作ることがよくあります。

子供の年齢が違えば、当然、それまでの積み立ててきた通帳の残高も違います。

子供名義の通帳は生前の贈与では?

贈与としての要件を満たしていれば、通帳はそれぞれの子供のものということになります。しかし、通帳の管理、印鑑、銀行とのやり取りもすべて亡くなった本人が行っていたとすれば、その通帳名義にかかわらず、亡くなった本人のものということになります。

つまり、亡くなった本人の相続財産ということになり、相続税の課税対象範囲と考える必要があるでしょう。

預金残高が少なければトラブルにはならないけど・・・

あとから出てきた通帳の金額が高額でなければ、兄弟間でのトラブルは起きないと思いますが、預金残高が多かったり、金額の差がかなりある場合には、円満に協議というわけにはいかないようです。

遺言書の内容はもともと均等ではない!

均等に遺産分割するのが理想ですが、現実にはそうはいきません。

  • 土地と家屋は1人に相続させたい
  • 最後まで介護をしてくれた子供に優先的に渡したい
  • 遺言書に記載がないものは特定の子供へ

相続財産には、分割できないもの、あるいは分割しないほうがいいものがあるだけでなく、さらに故人との親子関係などの調整要素が加味されています。

そのため、どんなに均等に配分したつもりでも、子供たちからすれば、不公平と感じるケースが多いのが現実です。

まとめ

終活は、自分の思いを残すのではなく、遺された家族のことを考えて準備をしなければなりません。

子供のためを考えて積み立ててきたはずの預金が、相続のときにトラブルの元になっては本末転倒です。

元気なうちに、きちんと子供への贈与手続きをしておいたほうがいいでしょう。

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