60歳~65歳で定年になってから、家にじっとこもっているのは結構つらいです。
若いときは、仕事のノルマに追われ、子供と約束した遊園地も義務的に、たまに一人になった休日には泥のように眠り目が覚めたら夕方なんてことがありました。
当時は、連休がくるのが待ち遠しくて、スポーツや趣味のスケジュールもガッチリ、いざその日がやってくると計画の半分も消化できない、なんてことに・・・。
自分一人のきままな海外旅行も、楽しいのは最初だけ。
定年後の自由な生活が夢だったけど・・・
”定年になったら、しばらくゆっくりして、それから考える”という方が結構います。
大企業で何十年も真面目にはたらき、無事定年。厚生年金+企業年金、さらには中小企業では考えられない高額な退職金をもらえば、その後の人生はのんびり暮らしたい、なんて思うのも無理ありません。
務め上げた満足感と余韻に浸りながら、好きな音楽を聴き、平日で人がまばらな美術館でゆっくり名画を鑑賞する。ロビーの喫茶店でゆっくりコーヒーを飲みながら、明日の計画を立てる。
海外旅行もオフシーズンに安く行けるから、年に1回は女房と一緒に。
すべてが、自由時間。真っ白なキャンバスに好きな絵の具で好きなように絵をかくようなもの。
最初は、みんなこんなことを考えます。でも、1ヶ月も経つと1日の時間が長く感じられて・・・。
亭主の居場所
”亭主元気で留守がいい” これ、主婦の本音だと思います。
そりゃ、何十年も朝から夜遅くまで自宅に居なかったわけですから、これから先毎日24時間ず~っと一緒にいると思うだけでストレスに感じるのは当然です。
新婚当時と同じ、胸ワクワクドキドキなんてあるわけないですし、”粗大ごみ”以外のなにものでもありません。今でこそ、夫婦共働きで女性も外にいる機会が多くなりましたから、それほど極端な状況ではなくなっています。
しかし、仕事をするわけでもなく、ただ時間とお金を浪費し、自宅と喫茶店、あるいは行楽地との行き来で、定年後の20年あるいは30年間を生きていくのはお互いにメンタルがもたないでしょう。
目的がない海外旅行はつまらない?
家でじっとしているのも、息が詰まってくるから、海外旅行。でも、なんの目的も無い海外旅行って、本当に楽しいでしょうか。
現役時代に年1回の特別連休を使って海外旅行、楽しいですよね。気の合った仲間と一緒でも、一人で行っても、心身ともにリフレッシュして、明日からさあ頑張るぞって気持ちになります。
現役時代の海外旅行で一番の目的は、心身共にリフレッシュ!
帰ってからも、楽しかった旅の余韻がしばらく続きますが、実際には、旅行プランを練っているときが一番楽しいのかも。
定年後、毎日が日曜日ですから、格安ツアー、行こうと思えばいつでもいけるわけです。経済的に許されればの話ですが・・・。それと、女房がパートで働いていたら無理でしょうね。自分一人だけ、なんてわけにはいきません。
”いいわよ。いってらっしゃい”なんて、送り出してくれたとしても本年を察するべきでしょう。
そんな定年後の海外旅行は、忙しさの合間にスケジュールをやり繰りしての旅行とは楽しさのレベルがまったく違います。そのわけは、楽しさを共有する仲間がいないから。
他人から興味がない場所の海外旅行の話を聞かされても、ちっとも楽しくありません。”旅”は人に話すためではなく、自分のためですよね。
何か一つ目的を持って出けることで、そのなかからライフワークが見つかることもあります。
鉄道、花、ワイン、ファッション、料理、建物、美術館・・・???
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