事故があったときに、使うかどうしようか迷うことがあります。特に、車両保険。
車両保険は自分の車両の損害を担保する保険ですが、保険金請求すれば無事故割引がダウン! かといって、修理金額もそこそこ費用がかかる。
無過失事故特約なら無事故等級がダウンしない
車両保険にはいろいろな特約がありますが、そのうちの一つに「無過失事故特約」があります。
相手にぶつけられた時、自分には過失が無いのに相手が賠償してくれないときに便利な特約です。買ったばかりの新車を傷つけられて、もし相手が修理費を払ってくれなかったら泣くに泣けません。
自分の車両保険を使うこともできるけど
被害事故にあったとき、相手が無保険の場合やまったく交渉に応じてくれないことがあります。そんなときは、とりあえず自分で修理するしかありません。
修理金額が少額ならば、とりあえず自分で修理しておいて、あとから相手へ賠償請求することも可能です。しかし、修理金額が高額になれば、そう簡単に修理することもできません。
自分の車に車両保険がついていれば、車両保険を使って修理することができますが・・・。
もしそんなケースで車両保険を使ってしまったら、無事故等級が3等級もダウン!でも、壊れたままにしておけないし・・・、選択肢も無く、泣く泣く自分の車両保険を使って直す。納得できませんよね。
車両保険を使えば翌年度の割引が大幅ダウン!
自分の車両保険で車を修理したら、翌年度のノンフリート等級が下がります。しかも、”事故有”としての扱いになりますから、無事故の場合の同じ等級の割引率より大幅ダウン!
【例】
現在:15等級
事故有係数適用期間0年
割引率:51%
【車両保険を使ったら】
継続時:12等級
事故有係数適用期間3年
割引率:27%
無過失事故特約があればノンフリート等級はダウンしない!
もし無過失事故特約を付けていれば、自分に過失が無いときに車両保険を使ってもノンフリート等級がダウンしません。
【無過失事故特約が付いていれば】
継続時:16等級
事故有係数適用期間0年
割引率:52%
等級ダウンによる保険料の差は3年間だけで終わらない
無過失事故特約が付いていることで、上記のケースでは割引率に25%もの差が!
しかも、事故有係数適用期間が3年間もあり、2年目26%、3年目26%もの差に。累計すると、とても大きな金額! 3年間の差額合計77%!!
しかも、3年間の事故有係数適用期間が終わったとしても、もともとの等級差は20等級になるまで追いつきません。
無過失事故特約はいくらで掛けられる?
あいおいニッセイ同和損保のリーフレットによれば、以下のとおりです。
<契約例>
保険会社:あいおいニッセイ同和損保
契約内容:タフ・クルマの保険
始期日:平成27年4月、1年間
〇自家用自動車保険 14等級・事故有係数適用期間0年、35才以上補償、記名被保険者年齢別料率区分:40~49才、料率クラス:車両クラス4、対人・自損クラス4、対物クラス4、傷害クラス4、平成27年4月登録の新車、新車割引、イモビライザー割引、運転免許証の色:ゴールド、使用目的:日常・レジャー使用 〇補償内容および特約については省略 〇払込方法:一時払
【車両保険無過失事故特約を付けていない場合】
100,820円
【車両保険無過失事故特約を付けている場合】
102,480円 プラス1,660円
参考にしたリーフレットは、平成27年4月時点ですので、保険料が変わっている可能性がありますが、車両保険無過失事故特約の保険料はそれほどの負担額にはならないはずです。
車両保険無過失事故特約は自分に過失があれば使えない
車両保険無過失事故特約は、自分または車を管理していた方に過失が無かったことが確定している事故に使うことができます。
さらに、使えるのは次の事故のケースに限られ、客観的事実に照らして過失が無かったことが認められることが条件になっています。
〇自分の車が追突されたとき
〇相手の車がセンターラインオーバーしてきたとき
〇相手の車が赤信号を無視したとき
〇自分の車が停車中に衝突・接触されたとき
新車ならぜひ付けておきたい特約
車両保険無過失事故特約は、わずかな特約保険料で付けることができますから、新車の場合にはぜひ付けておきたい特約です。
どんなに運転に自信があっても、相手からの一方的な事故の被害に遭う可能性は十分考えられます。何百万円もする新車がそんな事故に遭ったら泣くに泣けません。
次回更新のときの参考にしてください。
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