Bucket List(バケットリスト)とは、生きているうちにやりたいことをまとめたリストのこと。
最近では「人生でしたい100のことを書くノート」も発売されているようですが、あまり項目数や形式にとらわれず、やりたいこと、やってみたいことを気楽にメモるぐらいがちょうど良いかもしれません。
Bucket List の語源は、アメリカの脚本家・Justin Zackham(ジャスティン ザッカム)が作成した”Justin’s Bucket List” に由来しています。リストの最初の項目には、大手ハリウッドスタジオで映画を製作することが記されています。
この”Justin’s Bucket List”からヒントを得てつくられたのが、世界的に大ヒットしたアメリカ映画「The Bucket List」2007年(邦題:最高の人生の見つけ方)。
がんの余命宣告を受け入院していた2人が、死ぬまでにやりたいことをまとめ、スカイダイビングや自動車レースなど、Bucket List を実現するための旅に出ます。
映画とはいえ、Bucket List が無ければ、二人の人生のラストがこれだけ充実したものにはならなかったでしょう。プライベートジェットで海外を巡るなど、参考にできる項目はありませんが、この映画のラストにはだれもが感動するはずです。
映画にあるような Bucket List はムリでも、目的(目標)を持ち続けることで、充実した人生をおくることができるのは間違いありません。
”Bucket List” で前向きなセカンドライフを!
リタイアして半年も経つと、”今日はなにをしようか・・・”なんて日が増えていきます。このようなメンタルで退職後の20年~30年を過ごすのは、精神的にもマイナスです。
生きがいを見つけられないまま、不安で抑(よく)うつ的な精神状態が続く状況を、”生きがい症候群”というようですが、”Bucket List” を作成しておけば、このような状況にはならないでしょう。
”Bucket List” には、自分がやりたかったこと、思い描いていた夢や目標など、自分自身が心から喜びを感じることができるような項目をリストアップします。
海外旅行は、”Bucket List”の大きなテーマの一つ。豪華クルーズ客船で世界一周を計画している人も多いですね。
「海外旅行」は気持ちをリフレッシュするためには最適ですが、鉄道や食材などのテーマを持つことで、さらに満足度の高いツアーになるはずです。
同時に、体力と資金面を考えあわせなければなりませんから、実行が難しくなったときに、 ”〇〇ロス” とならないようなメンタルも必要です。
国内でいえば、「四国八十八ヵ所巡り」。歩き遍路だと、全周で1,400km。何周も重ねて納経する方もいるようです。
身近なところでは、地元や近隣の歴史を掘り下げてみるのも新しい発見があって刺激的。費用はほとんどかからず、10年も経てば、郷土史家と呼ばれるようになっているかもしれません。
さらに大きなメリットは、郷土の歴史研究を通じて、共通の価値観を持った人間関係が拡がっていくことです。
”Bucket List” は年齢に関係ない
”Bucket List” を作成するのに年齢は関係ありません。
いまや、副業の時代。会社の仕事とは別に、自分が興味を持った趣味や知識をベースにして副業につなげたり、もしかしたら起業のキッカケになることも。
若いときに、、”Bucket List” として目標を明確にすることで、その後の人生やセカンドライフが充実したものになるはずです。
”Bucket List” にはボランティア活動も
”Bucket List” が生まれたアメリカでは、どんな項目がリストになっているのか調べてみました。
”Bucket List” として、23年間でアメリカ50州の名所やビッグイベントを巡った若い女性もいますが、印象的なのは、ボランティア活動を挙げている人が多いこと。
ある統計調査によれば、65歳以上のアメリカ人のうち、42.7%がおもに宗教団体でのボランティア活動をおこなっているようです。このような宗教的・文化的背景が、Bucket List にも反映しているようです。
ちなみに、冒頭で紹介したアメリカ映画「The Bucket List」では、”見ず知らずの人に親切にする”という項目があげられています。
”Bucket List”と”To-Do List” の違いについて
”Bucket List” と ”To-Do List” の違いを一言でいえば、”Bucket List” はやりたいことのリスト、”To-Do List” はやるべきことのリストだということでしょう。
”To-Do List” は、仕事や家庭などでやるべきことのリストとして、古くから、具体的な目標を設定し管理するために活用されてきました。
一方で、”Bucket List” は、個人が死ぬまでにやってみたいことや夢などをリストアップするのが目的。
”Bucket List” の語源である”Justin’s Bucket List”は、つぎのフレーズを、ジャスティンみずからが簡略化したもの。
“List of Things to Do Before I Kick the Bucket”
このフレーズに”to Do” とあるように、死ぬ前に”やるべきこと”としてこのリストを作成していることがわかります。
アメリカのブログやSNSには、自身の”Bucket List” について、”to do”と説明したうえでリストアップしているものもありますが、”To-Do List” における”to do”とはニュアンス的にも違いがあるようです。
”I Kick the Bucket”ついて
それにしても、なぜ ”I Kick the Bucket”が”死ぬ”という意味になるのか、気になりませんか。
英和辞典によれば、《俗》死ぬ、くたばる、の意味に続いて、受身不可との説明。つまり、”みずからバケツを蹴とばして死ぬ”という意味です。
”I Kick the Bucket”が”死ぬ”という意味になったのは、諸説あるようですが、直訳すれば、自分で足元のバケツを蹴とばし、その結果死に至ったということ。天井のハリにはロープが・・・、説明は要らないと思います。もちろん、受身不可の理由も。
まとめ
つねに目標へ向かって、活き活きとした人生をおくっている方にとって ”Bucket List” をあえて作成する必要はないかもしれません。
しかし、現役時代に会社をけん引してきたような優れた人材ほど、退職後、自分自身のやりがいや生きがいを見つけることが難しいようです。
活き活きとした表情を取りもどすのは、かつての同僚との飲み会、OB会などで、かつての栄光を肴に持ち上げられたときぐらいでしょうか。それも、せいぜい5年後まで。
”Bucket List” は、単に、旅行や遊び、趣味やスポーツなど、費用と時間をかけて実現するためだけのリストではありません。
自分のための”Bucket List” が、もしかしたら収入の柱になったり、他人を幸せにすることだってあるのです。
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