経営者にとっての終活は、自分一人の問題ではありません。
事業承継は、もっとも大事な終活の一つでしょう。しかし、後継者を決めるのはそう簡単ではありません。
前の記事でも書きましたが、将来性が感じられなければ、身内や外部の投資家の目には魅力ある企業には映らないでしょう。
外注によるスリム化で収益性と企業の魅力を高める
外注というと、あまり良いイメージを持たない経営者も少なくありません。
理由は、3つ。
- 内部情報が外部へ漏れる
- 技術が蓄積しない
- コストが余計にかかる
内部情報は外注先から漏れる?
内部情報が洩れるリスクについては、当然考えられることですが、現役社員や退職社員から情報が漏れることが多いのが実態です。
退職時に、「秘密保持に関する誓約書」を書いてもらっても、あまり効果は期待できません。とくに、会社に不平不満をもって辞める社員の口コミなどを見ると、言いたい放題。
納得できるコメントが多いので、会社は反論できない?
今や副業解禁によって、現役社員が本業のノウハウを生かして、サイドビジネスを始める時代です。
現職のノウハウを生かした副業をやるのが、なんといっても手っ取りばやいですから。同業他社にとっても必要な情報?
顧客の情報管理についていえば、外注先のほうがしっかりしていると考えていいでしょう。
技術が蓄積しない
社内で技術が蓄積できないことを心配する声もあります。
たしかに、コアな業務や技術について外注すれば、その部分は社内で育たないことになります。
かといって、内製化しようとすれば、軌道に乗せるまでにかなりの時間とコストがかかることになるでしょう。
そこまでかけたコストが確実に回収できればいいのですが、安定した受注がいつまで続くかはわかりません
コストが余計にかかる?無理な内製化のしわ寄せは社員に!
既存の従業員でなんとかやりくりしてきた企業にとっては、業務の一部を外注することは無駄なコスト、と考える経営者が少なくありません。
安定受注とは言っても、突発的な受注や季節変動はつきものです。もし断れば、その後の注文は期待できません。
断れないけれど、パート社員やアルバイトと比べたら、外注はコスト高。
パート社員やアルバイトで調整ができなければ、役員以下正社員を総動員してなんとか対応。
正社員の残業代のほうが高いはずですが、サービス残業が慣習になっている企業であれば、実質負担ゼロ?
そんな体制がいつまでも続くわけがありません。いつしか離職率が高い会社になって、ブラックラベルが張られることになります。
外注をフルに活用して上場した会社
外注をフルに活用して、東証1部上場を果たした企業があります。
2010年に会社を設立し、わずか5年9か月での上場。
会社の名前は、㈱アカツキ。スマホ向けのゲームを開発していますが、新規事業への参入も意欲的。
年商は、2019.3予想 270億円。
この会社の従業員からの評判は、創業当初、かなりよくありませんでした。
口コミサイトには、有給休暇を取れるような雰囲気はまったく無く、かなりハードな労働環境だった様子がコメントとして残されています。
それが、いまでは別会社のような雰囲気に。
今では残業時間数も適度で、有給休暇もとれ社員の満足度がとても高いようですが、その改善のヒントが、コア業務に近い部分を外注したこと。
外注先
社員の時間が大幅に確保できたことで、新規事業の企画立案など、創造的な業務への効率的な時間配分が可能になっています。
㈱アカツキの外注先
㈱アカツキの場合、記事のライティング、取材先の営業リスト作成などの業務を外注していますが、その完成度の高さと仕上がりのスピードにとても満足しているとのこと。
外注を上手に活用している企業の典型例ですが、これからの事業展開には欠かせない経営手法といえるでしょう。
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