老後という言葉には、”仕事をやめた” ”現役を退いた”という意味合いと、”残りの人生を消費する”というような響きがあって好きではありません。
経済的にそこまで余裕がないのも理由の一つですが、できるだけ長く仕事を続けることが最高の健康法だと思っています。
金融資産保有世帯の金融資産保有額は、平均値が2218万円、中央値が1100万円だそうです。
中央値というのは、5人いるとしたら3人目の数値をいいます。平均値が高いことを考えると”持っている人は持ってる”ということになるのでしょう。
この統計データによれば、3000万円以上の金融資産を持っている人が、なんと25.6%もいます。
老後資金は3000万円で充分?
3000万円の現金、1万円札なら厚さ30cmになります。仕事で触ることはあっても、自分のお金として触ることはめったにないはずです。
これだけあれば、老後資金は充分?
年利回り5%程度で運用できれば、派手な生活をしなければなんとか生活できるかもしれません。60歳まで特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)、65歳からは年金も受給できますから・・・。
60歳時3000万円でのシミュレーション
<条件>
金融資産:3000万円
運用利回り:年5%
厚生年金受給額(年間):60~64歳 60万円 65歳~ 200万円
生活費等:300万円
年5%の利回りで運用することは現実的ではありませんが、この高利回りで運用できたとして、26年後には残高がマイナスになります。
そもそも今、年5%で運用なんて無理ですよね。ハイリスクハイリターンでリスク満載の投資なら別ですが・・・。そんな危険な資産運用をしていたら、毎日気が休まりません。
物価の上昇や生活費以外の支出は?
85歳までは生活できる計算ですが、実際には物価の上昇や不定期に発生する費用がでてくるでしょう。たとえば、家の修繕費、マイカーの買い替え、予期しない災害、さらに葬儀や墓地の費用等があります。
5年ごとに車の買い替え費用として200万円、10年ごとに壁の塗装工事など家の修繕費を100万円とした場合、19年目にマイナスになる計算です。
もし、葬儀や墓地などの費用として150万円を別途に確保した場合、17年目にマイナスになる計算です。もし介護などの状態になれば、損益分岐点はさらに手前になるでしょう。
どんなに地味に生活しても自分の都合だけでは・・・
地味に生活するから十分だと思っていても、そんなモチベーション?は長くは続きません。人間生きているうちは欲がありますから、そのとき良くても、将来気持ちが変わることは多々あります。
そもそも、他人とのかかわり合いのなかで暮らしていますから、自分の都合だけで収支計画をシミュレーションしても充分ではありません。
老々介護も覚悟しておかなければなりません。人生100年時代となれば、両親の介護をどうするかについても、考えておく必要があります。
人生計画通りにいかないのは、会社の事業計画と同じです。いくら頭の中でシミュレーションしても無駄。それより、元気なうちは働いているのが一番です。
ストレスがたまらないし、長生きできる?
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