山内容堂の終活に学ぶ美術品の処分

有名人の終活

どんなに気にいった美術品でも、何代にもわたって引き継いでいくのは難しいですね。

NHKニュース2019.2.8によれば、山内容堂のコレクションの能面が英国の2つの博物館で見つかったそうです。そのうち1つは、ロンドンにある大英博物館です。

山内容堂は、江戸幕府に大政奉還を進言した土佐藩士で、日本史を勉強した方ならよく知っている名前だと思います。

発見されたのは5点とのことですが、すべて同じ時期に日本から流出したのかもしれません。まだ他から発見される可能性もあります。

問題は、なぜこれほどの名士が大事に所蔵していた能面が5点も英国の博物館で見つかったのかということ。

能面の流出は山内容堂の終活?

ニュースによれば、 山内容堂は50以上の能面を所有し、自らも能を舞うほどの愛好家だったそうです。

しかし、その50もの能面のほとんどは行方がわからなくなっていて、海外で確認されたのは初めてとのことですが、名品ぞろいでしょうから、今の価値に換算すると相当な金額になるのではないでしょうか。

山内容堂がどのように処分したのかはわかりませんが、処分した事情は”終活”だったとのこと。

山内容堂の終活事情

調査した法政大学能楽研究所の宮本圭造教授によれば、山内容堂は土佐藩主でしたが、明治維新によって大名家の境遇は大きく変わったとのこと。

山内容堂も例外ではなく、亡くなる前、明治4年ごろから狭い屋敷に引っ越しているそうです。どうやら、この頃に所有していた能面を手放した可能性が高いと説明しています。

藩主のときの屋敷がどのくらいの広さだったのかわかりませんが、能面の他にも多くの美術品などの所蔵品があったはずですから、収納スペースとしての蔵がいくつもあったのでしょう。

<山内容堂>
幕末に活躍した土佐藩の15代藩主で「幕末の四賢候」と呼ばれ、坂本龍馬の考案した大政奉還を江戸幕府に進言。王政復古の大号令の後に京都で行われた「小御所会議」では、徳川慶喜を擁護する論陣を張ったそうです。
「鯨海酔候」の異名があるほどの酒好きでしたが、漢詩や書道、特に能に関しては、「舞容堂」とも称され、有名な師匠の免許皆伝を受けているほどとのことです。

美術品の保管は大変!

山内容堂のコレクションは、幸いにも大英博物館などの美術館に納められていましたから、保管状態はベストコンディションと思われます。

このような美術品を保管する場合、温度や湿度、日光など紫外線からの保護が必要になりますから、一般家庭での管理状況では、美術品の傷みもかなりひどくなると思われます。

日本画であれば、シミは避けられません。

押し入れの隅などに長い間しまっておいた掛け軸を、思い出したように引っ張り出して広げてみると、あちらこちらに薄茶色の丸い点々が・・・。最悪です。

洋画なら、絵の具に細かなひび割れ。木製の額縁の場合、しっかりしたものでなければ、四隅の接合部分が外れてきたり・・・。

淡いトーンの作品なら、なおさら痛みが目立ちます。

変わらないのは、陶磁器ぐらいでしょうか。

大事な美術品ほど早めに処分したほうが!?

よほどの豪邸でもなければ、家のスペースはどんどん狭くなっていきます。大事な美術品もベストな状態で管理するのは、まず無理。

傷みが出る前に、きちんと管理・鑑賞してもらえる方に所有してもらうのが、美術品にとっては幸せです。

山内容堂ではないですが、自分で管理する自信とスペースが無くなってきたら、思いきって早目に美術商などを通して、売却・寄贈・処分することが、美術品にとっては最良の選択肢だと思います。


私は、掛け軸や洋画の一部を、テレビ番組でも人気の美術商に引取ってもらいました。購入したときの金額よりはるかに低いものもありましたが、作品にとっては幸せです。

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