サブスクリプション(定額サービス)は、飲食店での月額定額サービスですが、いまさまざまな業界で急速に広まっています。
飲食店の場合、音楽配信などのサービスとは違って、原材料のコスト負担や従業員の人件費が発生しますから、サブスクリプションには馴染まないと思われがち。
しかし、すでにサブスクリプションを導入している飲食店では、サービスを縮小する店舗は無いようです。
サブスクリプションの「定額メニュー」「定額サービス」は、これからの飲食店やサービス業にとって、欠かせない戦略ツールの一つであることは確かです。
『Sub.(サブ)』は、ソフトバンク子会社のビューンが運営。2019年5月にスタートしたばかりですが、お店が定額メニューを簡単に導入できるためのサービスを提供しています。
すでに大手コーヒーチェーン店でも、『Sub.』導入を開始。
「定額サービス」を、システム構築から集金代行、顧客管理まで、一気通貫でおまかせできるのが好評のようです。
『Sub.』サブスクリプション<定額メニュー>で飲食店のメリットは?
『Sub.』導入のメリットは、なんといっても収益が安定すること、それにリピーターの獲得です。
- 収益の安定
- リピーターの獲得
消費者サイドから見れば、サブスクリプションの定額メニューは、1ヶ月間定額で食べ放題・飲み放題のイメージがあります。
当然、元を取るために、積極的にお店に足を運ぶことになりますから、店側とすれば、万一失敗したら・・・という不安がよぎるのも無理ありません。
『Sub.』は、2019年5月にサービスを開始したばかりですが、他店の導入事例や集客状況などを検証しながら、適切なメニュー設定で、飲食店などの経営を支援しています。
コーヒーチェーン『PRONT IL BAR』が『Sub.』を導入
PRONT IL BAR(プロント イル バール)は、カフェ「プロント」など336店舗を、全国展開している㈱プロントコーポレーションのブランドの一つ。
これまでも、プリペイドカード「プロントカード」で、便利でお得なサービスを提供してきましたが、『Sub.』導入は、思い切った決断?
採算は大丈夫?と、つい心配してしまいますが、メリットのほうが大きいようです。
PRONT IL BARの『Sub.』<定額メニュー>
- 料 金:2,500円(税込)/月額
- 契約期間:1ヶ月ごと
- 対象商品:ホットコーヒー / アイスコーヒー / アメリカンコーヒー / エスプレッソ / アイスティー / ホットティー
- 利用条件:1日2杯まで/テイクアウト限定 / PRONTO IL BARウィング新橋店限定
1ヶ月60杯なら、1杯当り約42円の計算。
なんと、86%OFF!
テイクアウト限定にすることで、長時間の居すわりを防いでいます。
また、東京港区・新橋という土地柄、サラリーマンなどが多いエリアなので、ランチタイムには、他の食事メニューを併せて注文することもあるでしょう。
『Sub.』導入でPRONT IL BARの4つのメリット?
- 顧客の囲い込み
- 他商品のクロスセル
- 収益の安定化
- 財務体質の改善
虎ノ門・新橋など近隣には高層オフィスが立ち並び、客層にサラリーマンが多い飲食の激戦区!
顧客の囲い込みは、飲食店にとって大きな課題ですが、『Sub.』に加入していたら、少なくとも1日1回は立ち寄る?
サラリーマンにとって、朝のコーヒーは日課です。
土日・祝祭日の利用は少ないと思われるので、月40杯なら1杯当り60円。
コーヒー豆の原価を考えれば、赤字にはならない数字ですし、食事メニューも豊富なので、ランチタイムのクロスセルによるメリットも大きいと思われます。
『Sub.』の利用者なら、ランチタイムにPRONT IL BAR で食事、コーヒーをテイクアウトしたら、事務所でゆっくりコーヒータイム!
『Sub.』は前払いなので、当然、財務的にもメリットが!
キャッシュフローの改善です。
『Sub.』定額制の導入に不安は?
PRONTO IL BARの『Sub.』利用例を紹介しましたが、制度としてはまだスタートしたばかり。
これからどうなるか、ちょっと楽しみです。
飲食店の立地条件や常連客などのことを考えると、『Sub.』の定額メニュー導入に不安を感じる経営者もいると思います。
- 常連客が来なくなるのでは?
- 値引きによる原価割れが心配
- 新規客は本当に増える?
サブスクリプションの導入にあたっては、他店と同じ「定額メニュー」で成功するとは限りません。
同じ『Sub.』導入でも、PRONTO IL BARと違う定額メニューを提供している理由は、それぞれの店の立地やメニュー、顧客層が違うからです。
『Sub.』の導入にあたっては、不安がないとは言えません。
しかし、『Sub.』側の集客施策が、大きな成果につながっているのは確かなようです。
『Sub.』6つの集客施策
- 決済代行から顧客管理まで
- 募集人数/利用回数制限
- 対象店舗の順次追加
- 複数チケットの販売
- 『Sub.』サイトでの店舗紹介
- 友だちプレゼントで口コミ拡散
これらのさまざまな施策を組み合わせることで、『Sub.』定額メニューの効果があらわれます。
ソフトバンク系列の企業だからこそ可能な戦略といえます。
コーヒーは習慣性が高いので、定額サービスでの集客に向いた商品です。しかしお店で提供すると、回転率が悪化する心配があるため、PRONTO IL BARでは『Sub.』導入にあたり、テイクアウト限定にしています。
『Sub.』導入に向いている店舗
「定額メニュー」「定額サービス」は、どんな店舗でも導入できるわけではありません。
『Sub.』の導入に向いているのは、次のような商品やサービスを扱う店舗です。
- コーヒーなど習慣性が高い商品
- 定期的な利用が期待できる
- 対象商品の原価率が低い
飲食店の他、ネイルサロン、美容室、ヨガ教室、リラクゼーションサロンなどでは、2回目以降の来店が課題ですが、そこで「定額割引」を導入して、リピート率を改善することができます。
日経新聞で紹介された『Sub.』
『Sub.』は、日経新聞2019.5.21の記事で、次のような内容で紹介されています。
ソフトバンク子会社のビューン(東京・港)は21日、定額制(サブスクリプション)ビジネスへの参入を、システム構築から決済代行、顧客管理まで一気通貫で請け負うサービスを同日始めたと発表した。飲食店や美容室など店舗を運営する法人向け。店舗側は初期投資をかけずに、手軽に定額制サービスを導入できる。
『Sub.』の使い方はとっても簡単
利用者は、スマホの『Sub.』のサイトから受けたいサービスを選びます。
サイトから発行されたQRコードを利用店舗で提示するだけなので、とても簡単!
- Step1 スマホの『Sub.』でクレジットカードを使ってチケットを購入する
- Step2ログインしてマイページでチケットを確認する
- Step3お店でチケットを提示する
まとめ
サブスクリプション「定額サービス」の導入は、飲食業やサービス業のこれからの業績を大きく左右する戦略ツールですが、他店の成功が自店でも通用するわけではありません。
『Sub.』の強みは、ソフトバンク系列の事業として、確かなマーケティング戦略にもとづいて考えられたシステムだということです。
飲食業はもとより、美容室やヨガ教室など、地域での囲い込み戦略ツールとして、一度相談してみてはいかがでしょうか。
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