黒字企業で廃業!技術は海外へ!事業承継対策は?

アウトソーシング

最近、”黒字企業で廃業”とのニュースが取り上げられることが多くなりました。

今に始まったことではありませんが、残念なニュースです。なかには、10人以上の従業員をかかえて廃業する企業も。

消費者にとって、中小零細企業の廃業はあまり関係ない、と思う方もいるでしょうけど、中小企業があるからこそ、大衆の生活が支えられているんです。

「梅ジャム」って、わかります?

私の世代には、子供のころの懐かしの味。舌がしっかり覚えています。甘みが無くて、梅干しの酸っぱい味が特徴。

ビニール袋の一端を切って、直接口で吸ってもいいし、ソースせんべいの代わりに塗って食べるのも良し。

その会社は東京荒川区にありましたが、すでに廃業。戦後70年間、一人で作り続けてきた歴史に幕を閉じました。少子化と好みの変化による販売不振、そして体調不良。

梅ジャムに限らず、このようなニュースを聞くと、普段の生活で当たり前のように使っている商品の多くが、中小企業で作られていることに驚きます。

黒字で廃業が40%!なかには世界的なブランドも!?

廃業する企業のうち、約40%は黒字とのこと。

梅ジャムの会社じゃありませんが、赤字になってからでは廃業するのも面倒ということがあるかもしれません。法人の特別清算手続きには、お金も手間もかかります。

将来の業績の落ち込みを予測して、資金的に余裕があるうちに廃業したい、という経営者の意思が根底にあるのでしょう。

「当初から自分の代でやめようと思っていた」という経営者が、38.2%もいるようですが、そのことを従業員はわかっているのでしょうか。

黒字で廃業した会社のなかには、世界的にもその品質が認められていた会社があります。

チョーク(白墨)のメーカーが廃業していた!

子供のころの思い出は、梅ジャムだけではありません。

学校の授業に欠かせないのが黒板ですが、ここで使われるチョークの有名ブランドが数年前に廃業していたことを始めて知りました。

「羽衣チョーク」。

持ったときの独特の質感と、気持ちを勉強モードにリセットさせてくれるアイテムは、海外でもファンがいたようです。

理系では世界最高峰といわれるスタンフォード大学の教授によれば、このチョークがなければ研究や授業がすすまないとのこと。

「しなやかで折れにくい。
書き心地が悪いと思考が妨げられるんだ。
まさに最高のチョークだよ。」

と、同大学のブライアン・コンラッド教授がコメント。

世界に認められたチョークだったなんて、ぜんぜん知りませんでしたが、このチョークの価値はメーカーの経営者も気が付かなかったようです。

以前、NHK番組で特集されたことがありますが、羽衣チョークを作っていたのは、「羽衣文具」という愛知県の会社。

ホワイトボードや電子化に押されて、業績が落ち込み、ピーク時9,000万本製造していましたが、4,000万本程度までになっていたようです。

廃業は、病気で体調を崩したことがキッカケとのことですが、廃業当時、69歳。それまで、事業承継のことはまったく考えていなかったとのこと。

後継者を探したが・・・

娘さんと従業員のなかから、後継者を検討したそうですが、しかし、いざ引継ぎのための整理となると、その種類と量の多さに驚いたそうです。

「小さい会社は、営業、生産、人事まで、なにからなにまで一人ですべてやらないといけない。」

M&Aも考えたそうですが、病気になる前に銀行から聞いたその経費は、2,000万円。会社の利益の2年分。

電子黒板やタブレット端末の普及を考えると、チョークの将来性はないと考えた社長は、M&Aを断念して、社員の退職金を払えるうちに廃業することを決定したそうです。

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12人の従業員のうち再就職できたのはわずか2人

羽衣文具の廃業当時の社員12名のうち、その後再就職できたのは、わずかに2人だけ。

多くの人は、就職先が決まらず、失業保険などで生活している状況だそうです。廃業を決めるのは経営者ですが、従業員にとっては思いもよらなかったはずです。

企業の責任は、法人としての責任にとどまらないことの証左です。

設備を買い取った韓国企業

廃業を公表してから、その技術力とブランド力を高く評価した経営者などから、社長のもとへ事業承継の話が寄せられたそうです。

なかには、中国市場での可能性を示唆したものも。

中国では、チョークの市場はまだこれから増えていく状況。ここに目を付けた韓国企業が、社長さんから設備を購入し、中国など5か国への輸出を検討とのこと。

経営者がやるべき仕事

経営者には、経営者としてやるべき仕事があります。

羽衣文具の社長の話で、「小さい会社は、営業、生産、人事まで、なにからなにまで一人ですべてやらないといけない。」とありました。

でも、中小企業の経営者は、これらの業務をすべて一人でこなさなければいけないのでしょうか。社員にまかせるのは不安、あるいは信頼できないからという理由で、内務業務をかかえこんでいる経営者が多いように思います。

経営者にとってもっとも大事な仕事は、業界や他社の動向を知り、自社の強み弱みを分析して事業戦略を練ることです。

金融機関とのつき合いは、単に資金繰りのためだけではありません。業界やマーケット、事業承継やM&Aなどの情報を得るための重要な取引先の一つと考えるべきでしょう。

羽衣文具が、外部情報にもう少しアンテナを張っていれば、貴重な技術を海外へ流出させることにはならなかったのではと考えると、とても残念です。

経営者本来の仕事をするためのヒント

経理などの内務業務を思い切ってアウトソーシングしてみる

中小企業の内務関連の業務で、アウトソーシングできないものは無い、といってもいいかもしれません会社によっては、社員は社長だけなんて企業も。

その会社では、秘書業務もアウトソーシングしていて、社長の仕事はもっぱら営業。理由は、アウトソーシングのほうが業務効率がいいから。

社員だと、新しい仕事は試行錯誤しながらですが、アウトソーシングなら、業務のエキスパートが処理しますから、早くて正確。結果的に、コスパというわけでせす。

アウトソーシングしていない理由は、経営者に他人にまかせる勇気が無いだけでは?

まとめ

中小企業の技術やノウハウ、そして貴重な設備などが、海外へ流出するのを見ると、非常に残念に思います。

社長は、自分の代だけで止めるつもりだったと言っても、社員を巻き添えにした形の黒字廃業は、社員の家族にとっても納得できるものではないでしょう。

”小さい会社は、なにからなにまで一人でやらなければいけない” というのは、経営者の思い込みではないでしょうか。

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もっと、外部の力を活用して、経営者本来の仕事ができるようになれば、多分ですが、魅力的な中小企業の未来が拓けるように感じます。

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