アウトソーシングの使い方によって、企業価値を高めたり、業績を飛躍的に伸ばすことが可能になります。
アウトソーシングというと、繁忙期に派遣社員やアルバイトを頼んだり、自社で製造できない部品を外部業者に注文したりすることが頭に浮かんできます。
”うちは外注してないよ” という経営者もいますが、じつは、ほぼ100%アウトソーシングしている業務があります。
”会計業務”です。つまり、決算書を作成するための作業ですね。
ときには、経理業務もすべて会計事務所におまかせ、なんて会社もあるはず。
なかには、1年間分の伝票をまとめて、決算ギリギリに持ち込むところもあります。
経理業務というのは、一言でいえば、日々のお金の入出金を管理する仕事。
伝票でその入出金を記録するわけですが、この処理も会計事務所の関連会社へおまかせの中小企業も多いと思います。
経理業務や会計業務をアウトソーシングする理由は、専門性が高くて、税務調査への対応も難しいからです。
”決算書の作成費用が高い”という経営者もいますが、税務調査への対応を考えたら決して高くはないでしょう。
税理士事務所によっては、単に伝票の集計だけなんてところもあるようですが、それは運が悪いとしかいいようがありません。
なかには、”補助科目”を使ったことが無い、という会計事務所もありましたが、クライアントが気の毒。そのクライアントは、その後、会計事務所を変えました。
伝票を集計するだけなら、市販の会計ソフトで充分ですよね。
大事なことは、決算書や試算表を会社の経営にどう生かすかということ。
商売の本質であるお金の動きが、すべて集約されているのが試算表であり、決算書なわけです。
経営の肝の部分をアウトソーシングしているわけですから、その結果を経営に生かさなければもったいないですが・・・。
現実には、利益が出すぎていれば節税策を考え、できあがった決算書を銀行へ提出して、サラッと目を通したらファイリングするぐらいでしょうか。
月次あるいは四半期ごとに、税理士先生と業況や事業の方向性などについて打合せをしたいところですが、単に書類のやりとりで終わっているところも多いのでは。
決算書や試算表などの会計書類は、会社経営の未来について様々なことを教えてくれます。
その会計書類の数字を実務と照らして、新たな事業戦略を練るのが、経営者や幹部社員の仕事です。
その事業戦略にもとづき、業務内容の変更と修正をくりかえすことで、少しづつ会社が目標へ向けて前進することになります。
会計書類は、資金繰りのときでもなければ、あまり生かされることもないかもしれませんが、勘定科目の一つ一つに、将来のヒントがたくさん眠っています。
ちょっと時間があるときに、もう一度見直してみてはいかかでしょう。
せっかくアウトソーシングしているのですから、その成果物をしっかり見ないともったいないですね。
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