汗が止まらない!という方が結構いらっしゃいます。
多汗を自覚している日本人は、7人に1人ともいわれていますが、日本皮膚科学会によれば、20人に1人が ”多汗症” とも。
暑さのせいなのか、体質なのか、わかりにくいので気が付かないかたも多いようです。
汗をかくのは新陳代謝が良い、なんて言ってるうちはいいですが、量が多くなると、さすがになんとかしなきゃ、と考えるように・・・。
〇下着や服に汗染みが出て黄ばむ
〇周りの人は汗をかいていないのに、自分だけ汗が・・・
〇取引先との打合せで、汗だく
〇顔の汗でメイクが崩れる
など、悩みは色々。
汗が止まらない多汗症!原因と治療法は?
汗をかくことは悪いことではありませんが、その量が他人と比べて、あまりに多いようなら、“多汗症”かもしれません。
しかし、自分で多汗症だと気づくことは少なく、ほとんどの人は他人よりちょっと汗の量が多いかな、ぐらいの感覚のようです。
多汗症が病気だとの認識が少ないため、医療機関で診察してもらう方は、そのうちわずか1割程度とのこと。
多汗症には「全身性多汗症」と「局所多汗症」
日本皮膚科学会のHPには、「全身性多汗症」は、全身の汗の量が増える症状で、「局所多汗症」では、手のひらや足の裏など体の特定の部位に汗が多くみられます。
多汗症の90%は局所性で、全身性多汗症は10%だそうですが、ひどくなると額から流れ出た汗で書類が書けなくなるなど、生活に支障がでるケースもあるようです。
多汗症の原因には、代謝異常や神経疾患、外傷や腫瘍によるものや、原因がはっきりわからない原発性と言われるものがあるようです。
全身性で原発性の場合、遺伝の影響があるともいわれています。
・25歳以下で発症している
・左右対称性に発汗がある
・睡眠中は発汗が止まっている
・1回/週以上の多汗のエピソードがある
・家族歴がある
・これらから日常生活に支障をきたす
4段階の重症度判定
重症度の判定は、次の4段階で判断しているようです。
(1)まったく気付かない、邪魔にならない。
(2)我慢できる、たまに邪魔になる。
(3)どうにか耐えられる、しばしば邪魔になる。
(4)耐えがたい、いつも邪魔になる。
このうち(3)(4)だと、重症とのこと。
このほかにも、発汗計で発汗量を測定して判定する方法もあります。
いずれにしても本人が、生活に支障が無いと思えば問題はないようです。
多汗症の治療法は?
日本皮膚科学会のHPには、「原発性局所多汗症」診療のガイドラインが掲載されていますが、これによれば以下の治療法が使われているようです。
【1番目】の治療法として、手のひら、足の裏に対しては、塩化アルミニウムの外用またはイオントフォレーシス(水のはった容器に手足を浸して、弱い電流を流す施術法)をおこないます。
【2番目】の選択肢として、ワキガ、手のひら、足の裏に対して、A型ボツリヌス菌毒素(デトックスR等)の局所注射を行います。
【3番目】の選択肢は、胸腔鏡下胸部交感神経遮断術(ETS)ですが、合併症として、治療していない部位が多汗になってしまう代償性発汗が起きる可能性があります。
医療機関で処方される制汗クリームは?
医療機関では、外用薬として、塩化アルミニウムを主成分とした制汗剤を処方してくれます。
じつは、この塩化アルミニウムは極めて効果が高い反面、かぶれやすい特徴があり、薬事法でも最大配合成分量が決められています。
もちろんかぶれない方もいらっしゃいますので、そんな方にはおススメの制汗剤と言えます。
医療機関で処方される外用薬は、配合成分量20%のものが多いですが、症状の程度によってはそれ以上の成分量のものが処方されることもあるとのこと。
皮膚への刺激が強いため、成分量が少ないものから徐々に増やしていくことが多いようです。
市販の制汗クリームには肌に優しいものも
市販の制汗クリームにも、外用薬と同じ塩化アルミニウムを配合したものがありますが、医療機関で処方されるものより、配合量は少なくなります。
海外の制汗剤には、配合量が25%のものもあるようですが、使われた方の口コミなどで、“痒みがでた”とのコメントを多く見かけます。
塩化アルミニウムを主成分とした制汗剤の特徴といってもいいでしょう。
無理して使い続ける方もいるようですが、使用を中止するか、成分量の少ない制汗クリームに変えたほうがいいかもしれません。
制汗クリームに使われる成分のなかには、痒みがほとんど無く、敏感肌やアレルギー症の方でも使えるものがあります。
クロルヒドロキシアルミニウムがその成分です。難しくてわかりにくい名前ですが、塩化アルミニウムと同じく、医薬部外品に使われる有効成分で、痒くならないのが特徴です。
外国製ですが、クロルヒドロキシアルミニウムを主要成分としたロールオンタイプの制汗クリームがあり、痒くならないので、肌の弱い日本人に好評です。
いきなり強い成分の制汗剤を使うのではなく、肌にやさしいものから試してみることをおススメします。上手にケアして、夏を快適に過ごしてください。
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