日本人の口臭ケアに対する関心は、先進国のなかでもかなり低いように感じていましたが、「スメルハラスメント」をきっかけに急速に高まってきたようです。
自分では感じにくい口臭ですが、周りの人にとっては悪臭以外の何物でもありません。
口臭測定器を使ったある調査によれば、口臭レベルは男性より女性のほうが2倍以上臭かったとの結果も。
特に、20代から30代の若い女性のほうが、40代から60代の中年男性より口臭が強いとの結果ですから、要注意!
相手がどんなに美人でも、クサい息を吐きかけられた瞬間、身を後ろへ引いてしまうのは、危険を察知しての条件反射!思わず、眉を寄せてしまいます。
自分ではわかりにくい口臭ですが、便利な測定機器もありますので、こまめにチェックすることをおすすめします。
もちろん、測定機器の結果にたよらず、常日頃の口臭ケアが大切なことは言うまでもありません。
口臭の測定機器にたよる前にまずニオイケア!
人間の鼻はニオイに慣れてしまいますから、自分の体臭や口臭はわかりにくいのですが、どうやったら確かめることができるのか。
ときどき、手ひらを鼻と口にあてて息を吐いてみることがあります。これで臭うようなら、周囲の人はかなりの悪臭に感じるはずです。
まさか、他人に確かめてもらうこともできない自分の口臭ですが、その臭いの強さを確認する方法がいろいろ開発されているようです。
口臭を測定する方法
NHKで、口臭を測定する新しい方法がいくつか紹介されました。
- 歯間ブラシで取れた歯垢を測定する
- 吐息をガス検査装置で測定する
- 歯ぐきの状態をスマホで撮影し測定する
ニオイの良い悪いは、人によって感じかたが違いますから、測定結果が必ずしも、悪臭というわけでもないようです。
番組で紹介された機器での結果はわかりませんが、通販などで販売されている簡易的な口臭検査機器のなかには、歯磨き直後の検査で大きな数値が出たとの結果も。
歯磨き粉の良い香りも悪臭も、一緒に測定値に反映してしまうようですから、検査のタイミングなど正しい使い方で測定する必要があります。
また、”センサーの寿命が短い”との評判もありますが、口臭は機器を使わなくても、自覚していればなんとなくわかりますよね。
口臭チェックが大事な理由
口臭は、体調不良のバロメーターと考えていいかもしれません。体調が良いときには、口臭に限らず、便やオナラもくさくありません。
口臭そのものの原因は70%~80%が口の中にあって、よく言われているのが以下のようなものです。
- 歯周病
- 歯垢
- 虫歯
- 食べかす
- 舌苔
- 歯の治療の被せ物
いずれも、口内細菌が食べかすや歯垢などをエサにして分解したときに発生するガスが悪臭のおもな原因になります。
また、体調不良のときには、血液中に溶け込んでいる臭い成分が呼気となって出てきますから、口臭にはさまざまな臭いが複合していると考えたほうが良さそうです。
口臭があると認知症になる確率が高くなる?
口臭のおもな原因の一つが歯周病ですが、大人がなるとは限りません。
子供でも歯ぐきが赤く腫れる「歯肉炎」になることがありますが、これも歯周病です。骨まで達すると「歯周炎」になります。
じつは、この歯周病は、心筋梗塞や脳梗塞、認知症や糖尿病の引き金になることがわかっています。
アルツハイマー型認知症は、特殊なたんぱく質である「アミロイドβ」が脳内に蓄積することで発症します。
この「アミロイドβ」を作り出しているのが、「ポルフィロモナス・ジンジバリス菌」という細菌ですが、なんと歯周病の原因菌なんですね。
若いときから少しづつ、脳内に蓄積されていき、20年ぐらい経ってから発症すると言われています。
40歳ぐらいで認知症を発症する方の場合、20歳ぐらいから蓄積されていったことになります。
認知症の原因になるのは、「ポルフィロモナス・ジンジバリス菌」だけではありませんが、口内ケアで防ぐことができるなら、子供の時からしっかりケアしておいたほうがよさそうです。
子供のときからの口腔ケア
さきほど、子供のときから歯周病ははじまっているとお話ししました。
かなり古いですが、昭和62年に厚生労働省が調査したところによれば、5歳~14歳の小中学生の3人に1人が、歯肉炎または歯周病にかかっているとのこと。
認知症などのことを考えると、子供のときからのケアがとても大事なことがわかります。
子供の虫歯は、いずれ永久歯に生え変わるから問題ない、と考えている親もいるようですが、おおきな間違いです。
乳歯の虫歯菌は、そのまま口内に残って、生え変わった永久歯に取り付きます。もちろん、口臭の原因になりますし、20年後は・・・。
まとめ
口臭の測定機器は、客観的に判断するには良いかもしれませんが、数値結果が低いからといって、”口臭が無い”と言い切れるものでもありません。
受ける側の感じ方は、人それぞれ。ただ、はっきり言えることは、口臭がさまざまな病気の兆候を教えてくれるバロメーターになっているのは間違いありません。
臭いをごまかすのではなく、元からきちんとケアをする。子供のときからの大事な習慣といえるでしょう。
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