「孤独死」対策?上野千鶴子さん「在宅ひとり死」のススメとは?

エンディングノート
広告について

当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

「在宅ひとり死」とは、社会学者の上野千鶴子さんが言い出した言葉です。

”ひとり暮らしの年寄りがひとりで死んでなにが悪い”との発想から自然に出てきたそうです。

一人で死ぬことを「孤独死」と呼びますが、”孤独”という言葉には”寂しさ”の意味が込められています。

一人で死ぬことを寂しく死んでいくと考えるのは、傍からの見た目であって、孤独かどうかかは本人が決めること。

TV朝日の人気番組「ポツンと一軒家」を見ていると、ひとりで生活している高齢者が多いですが、息子夫婦から同居の誘いを断って、明るくいきいきと暮らしている方が多いことに気付きます。

看取りは本人の希望か家族の想いか

家族に看取られて死ぬのが理想的な最後、とよく言われます。

病院で看取られるときには、医師からの連絡を受けて、家族が数日間病院に泊まり込んでもらうことに。

自宅で最期を迎えたいなら、家族からケアマネジャーかかかりつけの医師へ連絡し、看取りの準備をすすめます。

体調を持ち直すこともありますから、亡くなるまでの間に何度も自宅や病院を喪服姿で行き来することも。あまり何度も繰り返すと、親戚から”また?”と言われることも。

もちろん、本人は意識が無いわけで、脈拍計の表示が頼り。ときには病院側の配慮で、家族が集まってからの時刻を死亡時刻にしてくれたこともありました。

本人の希望でもあったし、家族としては死に際に間に合ったことで一応納得するわけですが、危篤のたびに、会社から了解をとって休暇や半休をとるのは気が引ける。

ピンピンコロリが理想だけど

”ピンピンコロリが理想” という話を、ときどき耳にします。

昨日まで元気で生活し、ある日突然亡くなる。本人も楽だし、家族にも負担をかけない理想的な最後かもしれません。

 しかし、在宅ひとり死を提唱する上野千鶴子さんによれば、長寿社会ではそれは難しいとのこと。

いわゆる急性心不全のような「突然死」は若い人に起きるもので、高齢者の場合、ほぼ確実に要介護状態になり、死が確実に予測できる「ゆっくり死」だそうです。

90歳、100歳まで元気で生活し、最後はピンピンコロリというわけにはいきそうにありません。

ひとりで静かに最後を迎えたいひともいる

上野千鶴子さんは、文藝春秋2019.4の記事の中で、次のように話しています。

各地の講演に呼ばれるそうですが、そこで聴衆に2つの質問をするそうです。

〇 死ぬときに子や孫に囲まれていたいですか?

〇誰かに手を握っていてほしいですか?

ある地方で、高齢の男性がいきおいよく手をあげた一方で、都内のある会場では、500人以上の高齢女性が、一斉に首を横に振ったそうです。

私の希望も、後者です。人生の最後に周りを囲まれ、死を待っていられるのもなんとなくツライですし、家族に余計な負担をかけたくありません。

また、こんなエピソードも書いています。

おじいさんの死の床の周りを子や孫が取り囲んで、孫がふとんにすがって「おじいちゃ~ん」と声をかけ続けていたときのことだ。じいさんがはっきりした声で言ったのが、「うるさいっ」。死ぬ時ぐらい、静かに死なせてくれよ、といいたいのだろう。

”看取られたい”のではなく”看取りたい”?

看取られながら死を迎えることが、理想的な最後のように言われるが、それは看取る側の思い込みかもしれません。

生前、充分面倒をみることができなかった人ほど、看取れなかった後悔があるようです。

高齢者の「在宅ひとり死」は孤独じゃない

高齢者で介護を受けていれば、一人で死んだとしても発見が遅れることはありません。

ヘルパーさんの出入りがあるので、そのときに見つけてもらえます。また、病院に入院していれば、家族が付き添っていないとしてもきれいな形で最期を迎えることができます。

むしろ心配なのは、若い人や介護状態になる前の高齢者です。特に、中高年のひきこもりの場合、周囲からの目も届かないケースが多いのが実情。

発見が遅れることが、少なくありません。ヘルパーさんなど、外部からの接触機会がなく発見が遅れたとなれば、室内の惨状が容易に想像できます。

同居していても「看取りがない死」はある

同居していても、家族が常にそばにいるわけではありません。

家族全員が仕事や買物に出かけているときに、突然亡くなることもあるでしょう。

風呂へ入ったままなかなか出てこないので、見に行ったら浴槽で死んでいた。朝なかなか起きてこないので寝室へ行ったら、ベッドで死んでいた。また、事故や災害に巻き込まれるケースも。

伝えたいことは元気なうちに直接伝える

死に際に、家族を呼び寄せて伝えたいことがあるなら、元気なうちに直接本人に伝えたほうがいいのでは?

エンディングノートに書き留める方もいるようですが、生前に相手に直接伝えられないことって何があるのでしょう。

遺産分割に関することなら、法的な効力はありません。また、生前お世話になったことのお礼なら、元気なうちに直接伝えるか手紙やメールを送ることもできます。

直接相手に伝えるのは、恥ずかしい? 遺品整理で見つけた日記に、妻への感謝の気持ちが綴られていて、初めて夫の感謝の気持ちを知ったという例もよく聞きます。

でも、できれば生前に、直接聞きたかったんじゃないでしょうか。それが、看取りの時?

コメント