日本へも、外国船籍の豪華クルーズ客船がたくさん来航するようになりました。
今年、2019年ゴールデンウィークには、国内ツアーなどを計画していた豪華クルーズ客船が、横浜港に同時に4隻も来港。
ベイブリッジの下をくぐれない大型クルーズ船が、ベイブリッジの外側に停泊するなど、かつてない光景は、日本でのクルージング人気を物語っているようです。
でも日本周遊ツアーなのに、かならず近海の外国の港にワンストップするのはなぜ?
外国船籍のクルーズ船が国内ツアーでも外国の港に寄るのはなぜ?
外国船籍の豪華クルーズ船では、「日本周遊クルーズ」となっていても、かならず1か所、近くの外国の港に寄るプランになっています。
乗客にとっては楽しみなプランなので、これまで気にしたこともありませんでした。しかし、すべての外国船籍の国内ツアーが、海外の港に寄港するのはなぜでしょう。
たとえば、次のツアー。
出発日:2019/9/22(横浜発着10泊11日)
寄港地:横浜⇒広島⇒北九州⇒釜山⇒舞鶴⇒金沢⇒秋田⇒青森⇒横浜
人気のセレブリティ・ミレニアムの「日本周遊クルーズ」では、釜山へ寄港しています。
もう一つ、豪華クルーズ客船・ダイヤモンド・プリンセスで往くツアーを紹介します。
出発日:2019/9/22(横浜発8泊9日)
寄港地:横浜⇒那覇⇒石垣島⇒台湾(基隆)⇒横浜
ダイヤモンド・プリンセスの場合、台湾(基隆)へ寄港します。
基隆は台湾といっても、石垣島と目と鼻の先ですから、ツアー客にしてみれば、楽しみが増えたことに。クルーズ客船ならではの、ツアースケジュールと言えますが・・・。
ダイヤモンド・プリンセスの国内クルーズは、クラブツーリズムがチャータークルーズを実施しています。
<カボタージュ制度>外国船が国内だけで営業できないルールとは?
カボタージュ制度とは、自国の沿岸輸送、すなわち内航海運は自国船に限るというルールです。
このルールの根拠になっているのは船舶法第三条で、赤字の部分です。
日本船舶ニ非サレハ不開港場ニ寄港シ又ハ日本各港ノ間ニ於テ物品又ハ旅客ノ運送ヲ為スコトヲ得ス但法律若クハ条約ニ別段ノ定アルトキ、海難若クハ捕獲ヲ避ケントスルトキ又ハ国土交通大臣ノ特許ヲ得タルトキハ此限ニ在ラス
カボタージュ制度があるから外国船は国内周遊でも海外へ寄港!
このカボタージュ制度があるために、外国船籍の船は、国内の周遊クルーズでも、寄港地を日本国内だけに絞ることができません。
そのため、セレブリテイ・ミレニアムやダイヤモンド・プリンセスのような外国船籍の船は、釜山や台北(基隆)などへ寄らなければならないわけです。形式といえばいいのでしょうか・・・。
ちなみに、それぞれの船籍は、次の通りです。
<セレブリテイ・ミレニアム>
船籍:マルタ
<ダイヤモンド・プリンセス>
船籍:バミューダ諸島 ハミルトン
国内船『飛鳥Ⅱ』の国内ツアー
外国船籍のクルーズ客船と違って、『飛鳥Ⅱ』のような国内船籍のクルーズ客船は、カボタージュ制度に縛られることはありません。
飛鳥Ⅱの船籍港は、横浜港です。現在、国内船籍のクルーズ客船としては、「飛鳥Ⅱ」のほか、「にっぽん丸」「ぱしふぃっくびいなす」があります。
飛鳥Ⅱのツアーは、以下の記事を参考にしてください。
まとめ
「セレブリティ・ミレニアム」や「ダイヤモンド・プリンセス」のような外国船籍の船舶は、カボタージュ制度によって、国内だけを寄港地とするツアーを企画することはできません。
また、基本的に、クルーはすべて外国人。セレブリティ・ミレニアムの「日本周遊ツアー」のように、日本人コーディネーターが乗船する場合もありますが、これは例外。
チップの習慣にも、とまどいます。
セレブリティ・ミレニアムの「日本周遊ツアー」では、チップ不要を明記。しかし、ダイヤモンド・プリンセスのツアーでは、チップ不要となっていますが、実際には必要。
外国船でのクルーズに慣れないと、とまどうことが多いと思いますが、それも旅の楽しみの一つ。海外の港に寄港することを楽しみにしている乗客もいます。
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