2020年度新卒者の終活は、すでに70%が内定しているとのこと。
しかし、バブル期の人材確保とは、だいぶ内容が違うようです。企業が求めているのは、単なる人数ではなく、即戦力としての人材。
新卒者にそんな能力を求めるなんて”無理”と思ったら、「長期インターンシップ」として、3ヶ月あるいは6ヶ月以上、入社前から正社員と同じように働いてもらうとのこと。
入社時には、すでに使える人材になっているという筋書きです。
中小企業はアウトソーシングを生かした事業戦略を
大企業が、長期インターンシップを採用しはじめた背景には、新人をゼロから育成するだけの体力が無くなっていることがあげられます。
大企業やスタートアップ企業のトレンドは、福利厚生施設や研修施設を持たないことはもちろんですが、人材育成も省力化。
まして、中小企業が、大企業と同じように優秀な人材を確保しようとしても、いたずらに人件費が上がり、付帯費用など余計な負担が増えるだけ。
●働き方改革
●最低賃金の引き上げ
この2つをとっても、内製化をしている企業にとっては大きな負担。
しかし、アウトソーシングを活用している企業では、受注にあわせて人員調整はもちろんのこと、人材の選択も自由にできるので、ほとんど影響を受けません。
大企業と中小企業が求める人材の違い
どの企業でも、いかにして人を使わずに利益を出すかが大命題になっています。
先日、逆走して事故を起こした新交通システムも無人運転でした。万が一のときのフェイルセーフシステムがプログラムされていなかったばかりに、大事故につながりました。
そんな無人化のトレンドは、コンビニにも広がっています。ローソンは無人店舗での営業をはじめています。
”無人化のトレンド”と”新卒者の早期内定”、相反した動きのように思えますが、大企業が求める人材の質は、以前とはまったく違うものです。
今、大企業が求めるのは、AIを駆使したマーケテイング戦略の人材。新しい分野だけに、人材そのものが不足。逆に、単純業務の人員は急速に減少しています。
大企業でも、AIについては試行錯誤の状況、対費用効果がどこまであるかわかりません。
まして中小企業では、AIを使ったマーケテイング戦略を内製化することはコスト的にも無駄です。
つまり、大企業と中小企業では、求める人材に違いがあるということです。
人手不足の業種は?
帝国データバンク『人手不足に対する企業の見解についての調査』2018年10月によれば、正社員・非正社員ともに、足りないと感じている企業が年々増えています。
正社員では、「放送」「情報サービス」「運輸・倉庫」「建設」、「自動車・同部品小売」 「メンテナンス・警備・検査」「家電・情報機器小売」「農・林・水産」など。
非正社員では、「飲食業」「飲食料品小売」「メンテナンス・警備・検査」「娯楽サービス」「人材派遣・紹介」など。
いずれも、ロボット化やAI・IT化がしにくい業種、コスト面だけなら正社員を非正社員へシフトすることでやり繰りできますが・・・。
大企業はアウトソーシングで体力強化
大手メーカーが、今や商社化していることは良く知られています。
実際に技術を持っているのは、下請けや孫請けの企業。ブランドとしての責任は負いますが、本社工場ではアッセンブリーの組立てだけ、なんて企業が数多くみられます。
管理コストを減らすことで、本部あるいは本社体制をスリム化。これが、大企業の強みです。
台湾の大手電機メーカー鴻海が、日本の電機メーカーを手中に納めたかったのは、商社機能から脱却したかったからです。
中小企業の強みは、そんな技術をすでに持っていること。
中小企業はなぜアウトソーシングしない?
日本の中小企業は、アウトソーシングをとても嫌います。
企業機密を外部へ洩らしたくない、という考えもあるでしょうけど、もともと保守的な体質もあります。
金融機関にいたころ、中小企業の幹部社員が、簡単な現場の作業を手伝っている姿をよく目にしました。
はたから見れば、現場のことをよく理解している幹部社員ということになるのかもしれませんが、欧米企業では考えられない場面です。
OJTや直接指導なら話は別ですが、高収入の幹部社員が、毎日同じ単純作業の繰り返しを続けることは人件費のムダです。
単純作業で人員が足りないのなら、人材派遣を有効につかうべきでしょう。
内務部門ほどアウトソーシングをすべき理由
中小企業では、総務や経理、人事、などの重要な部門を、身内や長年勤務のベテランで固めている企業が多いですが、見方をかえればとても勿体ないことだと思います。
優秀な人材が多いからです。
個別に話を聞いてみると、ユニークな発想や業務改善プランを持っている従業員もいれば、すばらしいキャリアの人もいます。
才能が埋もれているんですね。
いまや、経理や人事だけでなく、秘書業務やWEB運用まで外注できる時代です。
最近のアウトソーシングの会社には、大企業や専門分野で豊富な実践経験とスキルを持った優秀なスタッフがそろっています。
もし経理や人事などの業務を、アウトソーシングできれば、幹部社員は本来のコア業務に集中できるはずです。
秘書・経理・広告運用・人事など様々な業務をオンラインサポート
アウトソーシングはコスパ!
単純作業の労働単価で考えたら、アウトソーシングのコストは高いです。
しかし、内務部門をすべて内製化するよりも、コストパフォーマンスがはるかに良いことは確かです。
ある不動産会社では、内務関連の業務をすべてアウトソーシングしているだけでなく、秘書業務から企画書・見積書の作成まで依頼しています。
そうです。社員は、社長一人。でも、売上は以前の2倍以上!
お客との商談後、すぐにオンラインで企画書の作成を依頼し、翌日、その企画書をお客様のところへ提出ということも少なくないようです。もちろん、秘書業務も。
商談から戻って、夜、企画書を作成するのはかなり大変! アウトソーシングだからこそのパフォーマンスです。
まとめ
中小企業が人材をかかえるのは、とてもリスクがあります。
社員とその家族に対する責任もありますが、コスト的にも大きな負担。さらに、”働き方改革”が進むなか、福利厚生や労働環境の整備など、管理面での負担も大きくなります。
経営者の高齢化による事業承継は、中小企業の最大のテーマですが、なかなか進んでいないのが現状です。
アウトソーシングは、企業価値を高め、将来の若い経営者候補にとっても”魅力的な企業づくり”に寄与してくれるはずです。
一歩踏み出す勇気があるかないか、問題があるとすればそれだけです。気楽に相談してみてはいかがでしょう。
最近のアウトソーシングの会社は、優秀な人材の宝庫です。パフォーマンスが悪ければ、スタッフを変えてもらうだけ。
社員だと、そんなわけにいきませんよね。
コメント