ヒト幹細胞培養液の美容液に関心が高まっていますが、
「実際に効果があるのか」
「副作用が心配」
「価格が高い」
など、慎重な姿勢の方も多いようです。
幹細胞そのものがまだ新しい分野で、医療分野でも再生医療への応用が始まったばかりですが、アメリカではすでに1兆円市場。
日本ではこれからというところですが、百貨店にはヒト幹細胞コスメが並び、高級美容サロンでの施術にも使われ好評のようです。
大手化粧品メーカーは慎重姿勢ながらも、開発は進んでいるようですので、いずれ商品化されるかもしれません。
ヒト幹細胞コスメに感心が高い理由は、お肌へ直接はたらきかけることによるアンチエイジングへの期待です。
長い記事になってしまいましたが、「ヒト幹細胞培養液コスメ」の全体像がおわかりいただけると思います。
<ヒト幹細胞培養液コスメ>心配はない?
幹細胞培養液には、次の3種類があります。
- ヒト幹細胞培養液
・ヒトの脂肪細胞などから取り出した幹細胞を培養した幹細胞培養液を配合しています。 - 動物性幹細胞培養液
・幼羊の毛根や羊のプラセンタから抽出される幹細胞エキスを配合しています。体質により拒絶反応を起こす可能性もあるので、注意が必要です。 - 植物性幹細胞培養液
・リンゴやアルガンなどの植物の細胞から取り出した植物幹細胞を配合しています。
ヒト幹細胞培養液の特徴は、皮膚の繊維芽細胞のレセプター(受容体)へ直接はたらきかける成分が含まれていることです。この働きは、他の幹細胞培養液にはありません。
つまり、もし動物性幹細胞培養液が化粧品などに配合される場合、サイトカインの効果は期待できないことになると考えます。
※タンパク質は、熱処理によって変性しますが、分解はされません。
ヒト幹細胞培養液のレセプターへの働き
ヒトの細胞には、レセプター(受容体)といわれる情報を受け取る分子が存在していて、外部からの情報物質をこのレセプターが受け取ることで、細胞が活性化します。
“植物性由来”のものについては、サイトカインが含まれていませんから、ヒトの皮膚の繊維芽細胞へ直接はたらくことはありません。
ヒト幹細胞美容液にヒト幹細胞ははいっていない?
“ヒト由来幹細胞培養液”と“ヒト幹細胞”とは、まったく違います。
ヒト由来幹細胞培養液は、幹細胞を培養するときに使われる培養液のことで、幹細胞を培養したときにできる上澄みです。
この上澄みには、豊富な栄養素が含まれていますが、なかでもその役割が期待されるのが“サイトカイン”ということになります。
“培養液”ですから、幹細胞そのものが入っているわけではありません。
ヒト幹細胞培養液には幹細胞そのものはまったく含まれていませんから、幹細胞そのもののリスクを当てはめることは正しくないことになります。
<ヒト幹細胞培養液>厳しい検査をクリアしたものだけが原料に!
ヒト幹細胞培養液を配合した美容液は、“ドナー適合性検査”から定められた品質管理基準ガイドラインをクリアした“成分試験検査”をクリアして出荷されるまで、とても厳格なプロセスをふんで安全に製造されています。
ヒト幹細胞培養液を使ったコスメやエステは、アメリカや韓国が先行していますが、これまで副作用などの報告例がないのは、幹細胞そのもののリスクとはまったく違うからにほかなりません。
ヒト幹細胞培養液のエステについて
ヒト幹細胞培養液を使ったエステも人気ですが、一時よりも宣伝は落ち着いています。
理由は、大手エステサロンのメニュー“幹細胞美顔トリートメント”の広告が、“誇大広告”として東京都から指摘を受けたことがきっかけだったようです。
あくまでも、広告表示の問題ですが、一般消費者からみれば、慎重になるのはやむをえないかもしえれません。
この大手エステサロンでは、現在別の名称で、幹細胞培養液を使ったメニューを組んでいるようです。
ヒト幹細胞培養液のコスメに副作用はない?
幹細胞そのものを使った治療については、癌化リスクだけでなく、術後のトラブルの報告例もあります。
美容分野では豊胸手術がよく知られていますが、医師の技術レベルなどの問題から、術後に後遺症が残ったなどの報告もあります。
しかし別の項でもお話したように、ヒト幹細胞培養液を使用したコスメにはその心配はないようです。
現在までのところ、ヒト幹細胞培養液を使ったコスメ、特に濃度が高い美容液についても副作用やお肌の異常などの報告はないようです。
エステサロンでのメニューは?
エステサロンのヒト幹細胞培養液を使ったメニューについて、いくつか紹介します。
〇「ヒト幹細胞導入&フェイシャル」 90分 18,500円
〇「ト幹細胞・美肌再生コース」120分 12,000円
〇「ヒト幹細胞フェイシャル」 50分 10,000円
料金体系に幅はありますが、一般的なフェイシャルエステと比べて、50~100%アップという印象です。
エステサロンのサイトをのぞいてみると、実際に施術した方のビフォーアフターが掲載されていますが、利用者の満足されている様子がわかります。
しかし、継続的な施術を考えると、かなりのコストになるのは確かです。
「濃度」を成分表記でかならずチェック!
ヒト幹細胞培養液が配合されていると言っても、化粧品によってはその配合量がほとんどない、というものも少なくありません。
成分表記にはルールがあり、基本的に、含有量が多いものから記載されています。
配合量が多ければ良いというわけではありませんが、他の美容成分とのバランスを考えて、ご自分の肌質に合ったものを選ぶことをおすすめします。
ヒト幹細胞培養液は、国内で商品化されてからまだ数年しかたっていませんが、これからますます注目される分野であることは間違いありません。
気になるアイテムがあったら、まずは一度試してみることをおすすめします。
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