一言で体臭といっても、原因によってニオイの成分が変わります。
加齢臭、ワキガ、口臭のように、原因やケア法がある程度頭に浮かんでくる場合もありますが、思いあたらないケースも。
アンモニア臭!
「疲労臭」とも呼ばれるそうですが、実際にこのニオイが体から出ているとわかったときには、ナゼ?という気持ち。
ニオイを消したいけれど、デオドラントでも消えないし、ましてフレグランスを使えば、なんだか複雑なニオイに。
日経「ウェルエイジング」の記事「洗っても消えない疲労臭 体から発散、腸内環境に一因」2020.2.5に、その解決のヒントが載りました。
消えない疲労臭の原因はカラダの中に!
サラリーマン時代、自分の車内で変なニオイ(アンモニア臭)がすることに気付きましたが、はじめのうち、このニオイの原因がわかりませんでした。
車に乗り込んだ時にはイヤな臭いが鼻をついてきますが、しばらくすると鼻が慣れてくるので、ニオイの事を忘れてしまう。これの繰り返し。
ある時、友人を乗せることになり、このニオイを消さなければと思い、車内に消臭スプレーをまきましたが、悲惨な結果に!
アンモニアのニオイは消えず、まき過ぎた消臭スプレーのニオイも強烈で、その友人は、助手席に乗り込むや、一瞬、眉間にシワを寄せたことを覚えています。
友人は言葉には出しませんでしたが、そのときの表情はいまでも頭に焼き付いてます。
今になって、思いかえせば「疲労臭」。
皮膚にすむ雑菌が、汗を分解して発生するニオイではなく、体の内側からそのままでてくるニオイです。
洗浄やデオドラントでは消せないニオイだそうで、自分自身が車の中にいるうちは、消臭が難しいことが最近になってわかりました。
疲労臭が消せない理由
中高年のニオイ悩みで、すぐに思い浮かぶのは「加齢臭」ですが、ニオイの質や強さなどの個人差があり、かならずしも我慢できないニオイとは言えません。
風呂やシャワーで、普段から体を清潔にしておけば、それほど気になるニオイにはなりませんし、いざとなればデオドラントも有効です。
しかし、「疲労臭」のケアが難しいのは、皮膚の表面で作られるニオイではなく、体の内側から出てくるニオイだということです。
疲労臭は、体の中からどんどん出てくるので、外側からいくらケアしても効果が報われないことに。
疲労臭がつくられるメカニズム
「疲労臭」の成分はアンモニアで、肉などのタンパク質が分解されるときに作られます。
タンパク質は、アミノ酸やペプチド(アミノ酸が結合したもの)のかたちで、腸から体に吸収されますが、すべてがアミノ酸やペプチドに変えられるわけではありません。
分解されなかった一部のアミノ酸は、粘膜や、小腸・大腸に棲む腸内細菌によって分解され、アンモニアになって体内に吸収されます。
アンモニアは、肝臓、脳、骨格筋などでも作られますが、血液中のアンモニアの大部分は、この腸管内でつくられたアンモニアと言われています。
アンモニアは、運動やタンパク質の摂取によって増加することがわかっていますが、通常、肝臓で尿素に変換され、尿として対外へ排出されます。
しかし、過労やストレスによって、肝臓の機能が衰えると、尿素として排出されずに、汗といっしょにアンモニアのまま発散されることに。
これが、アンモニアが「疲労臭」と言われる理由です。
また、呼気に含まれるアンモニア濃度でストレス度をチェックする機器もあることから、ストレスがアンモニア濃度に大きく関係していることがわかります。
疲労臭の対策は?
- ストレスを溜めない
- タンパク質を摂り過ぎない
- バランスの良い食生活
- こまめに入浴する
- 腸内環境をととのえる
「疲労臭」の皮膚から出るアンモニア臭は、ストレスや疲労による肝機能の低下が深く関係していますが、タンパク質の摂り過ぎも、皮膚のアンモニア臭の原因になるそうです。
日経「ウェルエイジング」の記事によれば、体づくりのためにプロテイン(タンパク質)を摂っている人は要注意!
こまめに入浴して、体を清潔な状態に保つことはもちろんですが、さらに大事なポイントが、腸内環境を整えることだそうです。
オリゴ糖で腸内環境を整える
ビフィズス菌は、大腸で酢酸をつくり、腸内のpH(ピーエッチ、昔はペーハーと呼んでました)を下げて、悪臭の原因であるインドールやアンモニアなどを産生する有害菌が棲みにくい環境をつくります。
オリゴ糖は、腸内で、こうした働きをするビフィズス菌を増やすので、気になる体臭をおさえられるかも、とのこと。
もちろん、他の対策を実行したうえで、あわせて摂るのがポイント!
まとめ
疲労臭にかぎらず体臭は、自分では気づかないうちに発散して、周囲に迷惑をかけてしまいます。
他人のニオイに気づいても、注意しにくいことがスメハラの原因にもなています。
ちょっとニオイが変、と感じたら早目のケア心がけたほうが良さそうです。
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