老後の資金調達「リバースモーゲージ」にデメリットは?

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リタイア後、年金だけでは不足する生活費をおぎなったり、自宅の修理や塗り替えなどの一時的にまとまったお金が必要になります。

そんな資金調達手段の一つが、FP協会の会報誌でよくとりあげられる「リバースモーゲージ」ですが、長生きがリスクになることも。


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老後の不動産活用「リバースモーゲージ」メリット・デメリット

最近のテレビCMで紹介されている「リ・バース60」も、住宅金融支援機構と提携したリバースモーゲージの一つで、住宅建設やリフォームに活用することができます。

リバースモーゲージは、リタイア後、年金だけでは不足する生活資金などを、自宅を担保にして資金調達できる住宅ローンの一種。

自宅に住み続けることができ、毎月のローン返済は利息のみ。元金の返済は、死亡時に自宅を売却して精算すればよいので、充実したセカンドライフを送るには最適プランのように思えますが・・・。

長生きしたときに、

融資限度額まで使いきってしまったら?

30年後も生活費の不足額は変わらない?

などの不安も残ります。

リバースモーゲージの運用基準は多様化しており、金融機関によっても違います。しかし、一度リバースモーゲージを選択したら、後戻りはできません。

リバースモーゲージのメリットは、デメリット(リスク)の裏返しとも言えます。金融機関による条件の違いなどを含め、内容をよく理解したうえで利用しないと後悔することになるかもしれません。

リバースモーゲージのメリット

リバースモーゲージのメリットとして、つぎのような点があげられています。

  • 自宅に住んだまま老後資金を調達できる
  • 毎月の返済は利息のみでよい
    ※通常のローン返済は「元金+利息」です
  • 貯蓄のとりくずしを遅らせることができる
  • 借入人死亡後も配偶者が引き継げる
    ※配偶者が引き継げない契約もあります

リバースモーゲージによる資金調達で、100歳ぐらいまでの資金計画を描くことができるなら、プラン通りにこれらのメリットをそのまま受けることができるかもしれません。

しかし、融資枠が十分でないと、新たな資金調達ができずに利息の返済だけが続くことになります。

リバースモーゲージのデメリット(リスク)

リバースモーゲージは、長生きするほど、毎月の借入元金が累積しきますから、利息の返済負担もだんだん重くなっていきます。

さらにやっかいなのは、契約後、金利などが契約時と同じままではないことです。

リバースモーゲージには、つぎのようなデメリットが考えられます。

  • 長生きすると限度額を使いきってしまう
  • 資金の使いみちが制限されている
    ※投資や事業資金には使えません。
  • 融資限度額は担保評価の50~60%
  • 不動産評価の見直しで限度額が減額される
    ※不動産評価の見直しがない金融機関もあります。
  • 変動金利なので利息の返済負担が大きくなる
    ※現在の金利は3%ぐらいですが、この低金利はいつまも続かないでしょう。

はじめは十分だと思っていた数千万円の融資枠は、年数とともに確実に減少していきます。毎年の借入金が100万円なら、10年で▲1,000万円、20年なら▲2,000万円。長生きするほど、融資限度額は減少していきます。

さらに物価の上昇にともない、毎月の不足額もさらに増えることになります。

融資限度額は、かなりの余裕が欲しいところですが、リバースモーゲージの場合、不動産の評価額の50~60%で設定されます。これは、おもに土地の評価が基準になっているため。建物は経年劣化があるので、評価の対象外と考えたほうがいいでしょう。

もちろん、将来土地の評価額が下がるリスクもあります。そのときには、見直し後の限度額を超えた部分について、一定期間内に超過した借入元本を返済しなければなりません。

リバースモーゲージの金利は変動金利なので、これも大きなリスクです。

現在の適用金利は3%ぐらいで低金利が続いていますが、これ以上金利が下がることはまずないでしょう。むしろ、金利上昇を覚悟しなければなりません。

自宅の評価が5,000万円ならリバースモーゲージでいくら使える?

リバースモーゲージの融資限度額は、不動産の評価額の50~60%です。不動産の評価額が5,000万円なら、2,500万円~3,000万円。

年間100万円づつ使えば、25~30年間分ですが、物価がインフレ傾向なら、はやめに融資限度額に達してしまいます。

3,000万円の限度額を使いきっていれば、その後の新たな資金調達はできず、金利3%であれば年間90万円、金利5%なら年間150万円の返済を続けなければなりません。これって、家賃と変わらない?

もっとも資金が必要になる時期に、返済負担だけが重くのしかかることに。ましてや、担保評価の見直しによって融資限度額が減額になれば、超過分を返済できなくなるリスクも。

視点を変えた不動産活用・地方移住で安定収入を得る

セカンドライフが40年以上続いたときに、最後までリバースモーゲージの資金にたよりながら、自宅不動産に住み続けるのは難しいでしょう。

利息を払い続けることができたとしても、家賃支払いに匹敵する金額になるかもしれません。自宅に住みながら、家賃を支払うようなものです。

中途半端にリバースモーゲージを利用するぐらいなら、視点を変えて、地方への移住を考えてみては?前向きな不動産活用ができるかもしれません。

都市部にマンションや一戸建てを所有していれば、かなりの家賃で貸すことができます。東京なら、20万円/月~でしょうか。

もし自宅を貸して、家賃が10万円/月ぐらいの地方都市に移住すれば、差額10万円が安定収入になります。必要経費のほかに、不動産所得として課税対象になりますが、それでも7万円/月ぐらいは残るはず。

地方への移住といっても、いわゆる”田舎暮らし”とは違います。都会暮らしに慣れた人が、経済的な理由だけでいきなり田舎暮らしはできません。

多少狭くなっても、駅から徒歩圏内で、ショッピングセンターや病院などがあり、安心して住むことができる地域を選ぶのがポイント。

退職後に地方移住するメリット・家賃格差を活かした安定収入
退職後も住み慣れた家で暮らす予定、あるいは住み続けているという方が多いと思います。 とくに住宅ローンの残債を退職金で完済したばかりの持ち家であれば、愛着も大きく、住み慣れていますからなおさらです。 しかし最近の物価の上昇、年金の...

都市部から離れても、現在の住まいから1時間~2時間圏内で、条件に合った物件を見つけることができるはずです。

リバースモーゲージでは資金使途が限られ、投資資金として使うことはできません。しかし不動産賃貸で得た収入に余力があれば、小口投資によって資産形成をすることも可能です。


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まとめ

長かった住宅ローンが終わり、ようやく自分のものになったマイホームですから、セカンドライフでもそのまま住み続けたいのは当然かもしれません。

リバースモーゲージは、リタイア後のそんな心理にマッチした仕組みといえますが、セカンドライフが40年以上続いたときに、最後までリバースモーゲージの資金にたよるのは難しいでしょう。

リバースモーゲージによる借入金は、本人死亡後に不動産を売却して返済することになり、売却額が借入金を上回れば差額は相続人に支払われます。

資産運用での収支勘定はプラマイゼロになるしれませんが、最終的にマイホームを手離すことを前提とした仕組みであることは承知しておくべきでしょう。

住み慣れたマイホームを離れて地方移住することに抵抗があるかもしれませんが、マイホームを維持しながら小口投資による資産形成をするのも、セカンドライフの一つの楽しみといえるでしょう。


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