改葬でも「墓じまい」の手続きは同じなので参考に・・・

墓地・終活墓じまい
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ご先祖を敬う気持ちはあっても、墓参りに行けるのは、お盆のときの年2回がやっとということがあります。

年1回も行けない、そんなケースも少なくありません。それでも墓の維持費はかかります。

その結果、最終的な選択肢が「墓じまい」。

祖父母の代まで守ってきた墓ですが、寺の場所は”関西”。東京から簡単に行ける場所ではありません。さらに、三十三回忌の年忌法要も何年か前に終わっていました。

その後数年間、迷いながらも、最終的に”墓じまい” することに。

といっても「改葬」なので、完全な墓じまいではありませんが、手続きは同じなので、参考まで。

墓じまいはその後の費用負担を考えて決める

お参りしない墓をそのままにしておくのは、ご先祖様には申し訳ありません。

まして、年忌法要が終わってしまえば、寺との関係も薄くなります。寺との繋がりが薄くなるとはいえ、墓の管理料は毎年発生しますから、10年、20年と長期的に考えると、家計の負担も大きくなります。

私の「墓じまい」の目的は、次の2つ。

〇自宅に近い寺へ墓を移すこと
〇経済的負担を減らすこと。

”お金は生きている人のために使え” が親の口ぐせ

墓じまいのメリットは、家計負担が大幅に軽減されるだけではありません。精神的なストレスからも解放されます。

お盆の時期は電車も混むし、宿泊費も高くなるので、その負担そのものが精神的なプレッシャーに。

家族4人だと、数十万円コース。計画的に積み立てしないと、間に合いません。

”守るべき先祖代々の墓” と思っても、いま生きて生活している人の負担になってはなんの意味もありません。

経済的に無理してまで代々の墓を守ることを、ご先祖様が望んでいるとは思えません。

”お金は生きている人のために使え” 、これが親の持論でしたが、さすがに代々の墓は移せなかったようです。

私の考え方も同じですが、親の墓を新たに都内に建てたことで、関西にある代々の墓にたいする考えが変わりました。”墓じまい”を迷っていた気持ちが、吹っ切れたキッカケになりましが。

立派な墓を建てても遺族に負担が・・・

立派な墓は、親戚や他人に自慢するにはいいかもしれません。

”故人もさぞ喜んでいることでしょう。” などの褒め言葉ももらえますが・・・。

寺の檀家になると、墓地の管理料の他にも、さまざまな費用がかかります。その金額は次の要素でほぼ決まります。

〇寺の格式
〇墓地の位置
〇墓の規模

宗旨により檀家が負担する金額は違いますが、同じ宗旨でも寺の格式によって変わります。

墓地の中での墓の位置(場所)や墓の規模でも、年間の管理料は違います。さらにその違いが、法事でのお布施、檀家として臨時に負担する費用などすべてにかかわってきます。

格式の高い寺に立派な墓を建てることは、本人の”終活”としては理想的かもしれません。

しかし、遺族の負担が大きくなるような墓を建ててしまうと、あとが大変です。

”墓じまい後”を考えて”墓じまい”する

私のように、複数の墓を1つの寺に集合するための墓じまいもありますが、墓そのものを整理してしまう墓じまいが多いですね。

「永代供養墓」「樹木葬への改葬」などは、年間の管理費が無料で、宗旨も関係なく埋葬してくれる寺院も増え、かなり人気です。

また、「海葬」や「散骨」、なかには「自宅での保管」する方法も。

墓じまいをしてくれる業者によっては、一時的に遺骨を預かってくれるサービスをおこなっているところもあります。

しかし、墓じまいを決める前に、取り出した遺骨の処置についてきちんと決めておくことが、先祖への供養にもなるはずです。

墓じまいの実際のフロー

私の場合、次の手順でおこないました。

新墓地と現墓地の寺の檀家になっていますから、それぞれの寺へ趣旨を伝え、しっかりとコンセンサスをとらなければなりません。

  1. 新墓地の寺へ改葬受け入れの了承を得る。
  2. 現墓地の寺へ改葬と墓石の処分について確認する。
  3. 新墓地の寺から「受入証明書」を発行してもらう。
  4. 現墓地の寺で「埋葬証明書」を発行してもらう。
  5. 現墓地のある役場へ「改葬許可申請書」を提出します。
  6. 役場から「改葬許可証」を発行してもらう。
  7. 現墓地から「遺骨出し」をおこなう。
  8. 現墓地の寺の僧侶に「魂抜き」をしてもらう。
  9. 「骨壺」を抱えそのまま新墓地の寺へ(日帰り)。
  10. 新墓地の寺へ「改葬許可証」を提出し「骨壺」を預ける。
  11. 日を改めて新墓地の寺で供養してもらい墓へ埋葬する。

4~10までの手続きは、1日間です。東京⇒関西⇒東京ですから、とても忙しくよく1日でできたと思います。

実は、「遺骨出し」のときに1体分が見つからず、持ち帰るのを断念しました。

本人と特定できた骨壺内の遺骨も、水分を吸っていて、火葬した時の原型をとどめていませんでした。骨壺を包んだ風呂敷も、東京へ持ち帰ったときには、かなり水が沁みていました。

墓石の処理費用がゼロだった理由

旧墓地の墓石は「魂抜き」の後、墓石業者へ処分をお願いするつもりでした。

しかし、幸いなことにその必要が無くなりました。理由は、墓石が立派だったから。

皮肉な話ですが、その墓がその寺の墓地のなかでもかなり目立つ場所にあり、墓石の材質・規模ともに立派だったため、更地にすると、墓地全体の景観に影響するとの寺側の判断。

現在でも、その寺に残されています。

墓地1㎡あたりの処理費用は、10万円程度のようですから、予定していた数十万円が不要になりました。

まとめ

「墓じまい」する目的は、さまざまです。

先祖に対して申し訳ない、と思う方もいるはずです。しかし、繰り返しますが、残された遺族の負担になってはなんの意味もありません。

”ご先祖様が見守っている”といいますが、そのご先祖の墓を見守るのは残された遺族です。

どんなに多額の資産を残したとしても、高額な相続税の負担、子孫の所得水準によっては、いずれ維持できなくなる時がくると考えるべきでしょう。


いま、近い親類の墓を含めいくつかの墓が、1つの寺にまとまっています。毎月1回の墓参り、とても楽になりました。

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