「定年後の移住」当面の家計収支だけで決められる?

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定年後の移住が、楽園生活になるか否かは難しいところ。

自宅を売却して現金化すれば、手元資金に余裕ができますから、その後のライフスタイルによっては、かなりゆとりのある生活を満喫できます。

体力があり健康で、自分の好きなことをのやれるうちは、どこで暮らしても問題ありませんが、資金やいざ体力が無くなってきたときのことなども考えておく必要があります。

地方自治体が支援する移住先がはたして・・・

テレ朝「ワイドスクランブル」2019.10.03で、青森県から長野県へ移住された方のケースが紹介されました。

ご夫婦2人とも70歳を過ぎていらっしゃいますが、とてもお元気で、最近までお仕事をされていたそうです。

娘さん2人はすでに結婚され、1人は名古屋、1人は横浜で暮らしていますが、青森の実家へは年1~2回帰ることができる程度だったとのこと。

ご夫婦は、年齢的にも除雪作業もつらくなってきており、かなり前から、雪の少ない土地への移住を検討していたようです。

娘さんたちは、当初実家無くなることに反対していたようですが、最終的にはご両親のことを考え移住に賛成。豪雪地帯の”雪ハネ”は、若くても結構大変!

お二人の娘さんが暮らす横浜と名古屋の中間地点として選んだのが、長野県・辰野町。

町からの支援もあり、築40年の7LDK2階建て住宅に、3万円という格安の家賃で移住しました。家賃には、電気・ガス・水道が含まれているというから驚きです。

辰野町への移住は、住民票の異動が条件になっていて、青森の自宅を1000万円で売却。

手元資金が出来ただけでなく、家計もかなり楽になったようです。また、娘さんご夫婦も、横浜と名古屋から月1回やってこれるようになったとのこと。

移住で家計支出は3分の2に!

ご夫婦の収入は、お二人あわせて月17万円の年金だけのようです。

青森県・青森市で暮らしていた時と、長野県・辰野町での家計の内訳を比較すると、以下のようになります。

項目青森県・青森市長野県・辰野町
年金収入17万円17万円
支出合計19.2万円12.6万円
固定資産税0.5万円0万円
食費8万円6万円
水道光熱費2万円 0万円
灯油代5万円0.8万円
病院代1万円0.5万円
電話代0.7万円0.3万円
家賃0万円3万円
ガソリン代2万円2万円
収支▲2.2万円4.4万円

長野県・辰野町への移住によって、家賃負担が増えましたが、固定資産税が無くなり、水道光熱費もゼロ円になるなど、大幅に支出が減っていることがわかります。

驚いたのは、灯油代が青森県では5万円もかかっていたようですが、長野県は暖かい?もしかしたら、光熱費0円に含まれているのでしょうか。

食費や病院代も安くなっていますが、このあたりの詳細はわかりません。

しかし、毎月の収支合計が、マイナス2.2万円からプラス4.4万円ですから、差額6.6万円!

マイナスなら、貯蓄を取りさなければなりませんが、プラスになれば逆に貯蓄が増えていくことに。この差は、大きいですね。

5年後の賃貸契約はどうなる?

長野県・辰野町の場合、破格の条件で家を借りることができるのは5年間で、その後の更新は、家主との交渉になるそうです。

少なくとも、水道光熱費を家主が負担してくれるとは思えませんから、暖房費用など含めて大きな負担が発生すると思われます。

また、家賃3万円のままで更新できるか不安が残りますが、青森の自宅を売却した1,000万円を原資として、家主から買い取る方法も。

介護状態などになったら?

行政の支援体制は詳しくわかりませが、新しい土地で、一人になったら、あるいは介護や認知症になったら、ということも70歳を過ぎたら考えておく必要があります。

地域社会での人間関係がうまくいかないと、いざというときに生活しにくくなるのは間違いありません。

”隣の芝生は青く見える”ということわざがあります。他人のものが良く見えることの例えですが、移住にも同じことが言えます。

健康で元気なうちは、自分中心で動くことができますが、新天地での生活は子供の転校と同じようなもの。弱くなってきたときは、地域にささえられながら生活するようになることを、自覚しなければ後悔することになるでしょう。

まとめ

長野県・辰野町への移住されたご夫婦のケースは、娘さんご一家との距離も近くなり、つらい冬の雪ハネから解放されたことで、老後のライフスタイルとしては理想的と言えるかもしれません。

また、当面の手元資金の赤字も防ぐことができますから、家計の5年間の合計収支+400万円と自宅売却による1000万円の資金確保は、とても大きなメリットであることは確かです。

しかし5年後、80歳過ぎてからの家賃更新をどうするのか、体に思うように動かなくなったときは、自動車の運転免許のことなど、75歳を過ぎれば、さまざまな課題が一気に降りかかってきます。

元気なうちに、いろいろシミュレーションしておくのも終活です。

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