クレジットカードの「リボ払い」で、トラブルが急増しているとのニュースが、朝日系列で流れました。
全国の消費者センターへの2018年度の相談件数は、2,403件で、5年前と比べて2倍に増えたとのこと。
現在は、さらに増加しているはず。
以前から、リボ払いについては、注意が必要と思っていましたが、契約内容を理解しないまま契約・使用している人が多いようです。
私のところへも、最近、数名から相談がありましたので、小売店系カードの実例を参考に、「リボ払い」利用時の留意点をまとめました。
多重債務になる前に、ポイントをしっかり抑えておさえて、クレジットカードを活用してほしいと思います。
クレジットカード「リボ払い」気づかず高い手数料 なぜ?
ショッピングの決済で、クレジットカードを利用する人が増えてきました。
しかし、「リボ払い」の仕組みや手数料率を知らずに使用し、いつまで経っても減らない残高に驚かれる人が増えています。
大阪府に住む30代女性のケースが紹介されていましたが、前月に10万円超の買物をして、請求が3万円弱だったことに驚いたとのこと。
「リボ払い」手数料の年率は、15%ですから、分割回数が多くなれば、それだけ手数料負担も大きくなります。
調べたら「自動リボ」になっていたそうです。
でも、なぜそんな契約に?
クレジットカードを作るときに、契約内容を確認しているはずでは?
現役世代ならまだしも、年金収入だけになってから、クレジットカード「リボ払い」を利用していたら・・・。
「リボ払い」ってどんな仕組み?
「リボ払い」は、商品の購入金額について、毎月の支払額を一定にして返済する仕組みです。
10万円の商品を購入する場合、手持ち現金が10万円なくても、毎月1万円づつなら返済できる、なんてときにとても便利です。
ただし、年率15%の手数料がかかります。
小売店系クレジットカード・E社のホームページでは、『自動的にリボ払いに』の特徴について、以下のように説明があります。
◎こんなときは「いつでもリボ」
- 毎月のショッピングのショッピングの支払額を一定にしたい
- 月づきの支払額を少なくしたい
- お店で「リボ払い」って言いにくい
- 毎回「リボ変更」がめんどう
「いつでもリボ」だと少額でもリボ払いに!
「いつでもリボ」にしないと、買物のつど、店員から支払い方法を聞かれます。
「お支払い方法は?」
周りの人に聞こえると、ちょっとはずかしいですが、「いつでもリボ」なら、「1回払いでお願いします!」と言えばOK!
でも、「いつでもリボ」にしていると、たとえ3,000円の商品でも、すべてが「リボ払い」に!
3,000円の商品の場合、リボ払いの1回目は3,000円ですが、この支払額には年率15%の手数料が含まれていますので、2回目の支払が発生します。
「1回払いで・・」と店員に答えているので、わずか3,000円の買物で、年率15%の手数料がかかるリボ払いになっていることに気が付かないようです。
カードを作るときに「いつでもリボ」の確認は?
クレジットカードには、カード発行会社によって、さまざまな系列があります。
- プロパーカード
- 銀行系カード
- 信販系カード
- 航空・交通系カード
- 小売店・コンビニ系カード など
なかでも、小売店系のクレジットカードは、普段よく利用する大型小売店で、キャンペーンのときなどに作ることが多いと思います。
店員がすすめるままに、簡単な手続きでクレジットカードをつくることができますが、さきほどの『自動的にリボ払いに』のような説明があったとしたらどうでしょう。
「いつでもリボ」にしておいたほうが便利なような気がしませんか?
E社のカード申し込みのときに、「いつでもリボ」を選択する・しないを選択できるようになっています。
しかし、「リボ払い」のくわしいことを知らなければ、ほとんどの方は「いつでもリボ」を選択するでしょう。
【実例】小売系E社カードを利用した会社員Xの場合
会社員Xは、数年前に、日ごろからよく利用する駅ビルの大型小売店で、数千ポイントプレゼントのキャッチコピーに誘われ、クレジットカードを作りました。
日ごろから利用している店なので、現金の持ち歩きが不要で、ポイントがたくさんもらえるならカードを作っておこう、動機はただそれだけでした。
本人は理解していませんでしたが、「いつでもリボ」になっていたので、少額の買物まですべてがリボ払いに。
気づいたらいつのまにか、残高は100万円を超えていました。
ショッピングの「リボ払い」は、購入した商品ごとに支払い回数と金額が決まるので、毎月の支払金額は、それぞれの買物分を集計した金額になります。
「リボ払い」の支払いは、毎月、4、5万円程度ですが、通常の「分割・ボーナス払い」と合算すると、10万円を超えることも。
「リボ払い」の年間支払手数料は?
会社員Xが、ことし一年間で支払わなければならない「リボ払い」の支払金額の内訳は次のとおりです。※実際の金額を多少変更しています。
●年間支払手数料 498,000円
●うち元金充当額 377,615円
●うち手数料合計 120,385円
「ショッピングリボ」返済のために「キャッシングリボ」を使うことに・・
初めのうちは、楽な支払と思っていても、支払い金額が積みあがってくると、だんだん負担になってきます。
E社のカードはクレジットカードなので、「キャッシングリボ」が付いています。
そこで考えるのが、「キャッシングリボ」を使って、「ショッピングリボ」を返済すること。
こうなると、借金は雪だるま式に。
年収に見合ったローン限度額があるけれど・・ショッピングは?
多重債務者の防止のために、 2010年6月に施行された改正貸金業法によって、貸金業者からの借入限度額は、年収の1/3に制限されています。
しかし、ショッピングについては、これの別枠!
つまり、「ショッピングリボ」は、そのカード会社の定めた限度額まで、総量規制とは別枠で使えることになります。
返済が遅れる、などの事態が起きなければ、利用限度額が変更されることはまずないでしょうから、返済はますます苦しくなっていきます。
まとめ
長い記事になってしまいましたが、ショッピングでの「リボ払い」で、メリットだけを強調した事業者の説明には疑問を感じています。
実際、E社のホームページには、「いつでもリボ」について、以下のように説明があります。
すべてのショッピング1回払いが、自動的に「リボ払い」になります。リボ払いがご利用いただけない加盟店や海外のショッピングも、あんしんしてご利用いただけます。
さらに、「ゴールド会員」「プラチナ会員」など、その詳細を知らずに、高い年会費(ゴールド:5千円、プラチナ:2万円または3万円)を負担しているケースもあります。
”ポイントがたまる” とのことですが、100万円単位で利用しなければ、そのメリットを生かせないでしょう。
小売店系では商品の売上につながるので、手数料・金利収入とあわせ、店側のメリットは大きいと思いますが・・・。
キャッシュレス化が進んでいますから、クレジットカードはこれからの時代に欠かせないアイテムであることは間違いありません。
海外では、クレジットカード以外では決済できないケースもあります。
そんなときに持っていたいのは、世界中で通用する三井住友カード(VISA)、マスターカード、アメックスなどのプロパーカードですね。
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