シェアリングエコノミーが、さまざまな分野で加速しています。
シェアリングエコノミーとは、”モノや空間を不特定多数の個人と共有して利用する形態”。
”資源を生かしたい”所有者の気持ちと、”支出をおさえたい”利用者の気持ちが、うまくマッチしたということかもしれません。
若い世代の消費性向が低くなっていること、高齢者の貯蓄性向が高くなっていることが、シェアリング市場を拡大しているようですが、メーカーにとってはあまり喜ばしいことではないかもしれません。
シェアリングエコノミーは、「所有している人」と「使いたい人」、両者を媒介するシェア事業者(プラットフォーム事業者といいます)の3者の関係で成り立っています。
カーシェアリングについて言えば、都市部ならほぼいつでもどこでも自由に使えるぐらいにサービス網が発達しています。数社に登録していれば、まず”車が空いてない!”なんてことにはなりません。
カーシェアリングは、マイカーを提供するわけではありませんから、どちらかと言えば、レンタカーの”ミニ版”の感覚でしょうか。
一方、ライドシェアと言われるのが、Uber(ウーバー)です。
車の所有者は自分の車を運転して利益を得る、利用者はタクシー感覚で使え料金も安い。公共の交通システムが発達していない地域では、生活の足ともいえる理想的なシステムに写ります。
日本では、タクシー業界の反発もありますが、法律上、営業免許が無い”白タク”と同じであるとの判断から、一時福岡で実施していた試験的運用もサービスを中止しています。
オリンピックを目前にして、Uber解禁ニーズが高まっているようですが、世界的みればプラスの側面だけではありません。ライドシェアの根底にあるリスクについても、お話しようと思います。
Uberのサービス内容について
一言でUberといっても、いろいろ種類があります。私が確認しているのは、以下のサービスです。
〇UberXー自分の車を使い利用者を乗せて料金をもらう。
〇UberPoolー複数の乗客が相乗りしてコストをおさえる。
〇UberBLACK-アプリから、プロのドライバーがハイヤーで送迎するサービスを依頼できる。
〇UberTAXIーアプリから、一般のタクシー配車を依頼できる。
これらのサービスのうち、本来のUberといえるのは「UberX」です。福岡市で、産学連携事業として試験的におこなわれていましたが、最終的に”白タク”と判断されて中止になっています。
他の3つのシステムは、現在東京をはじめ各地で実施されていますが、内容としては、タクシーやハイヤーを手配するのと変わりません。”骨抜き”の仕組みです。
UberBLACKの利用方法3つのステップ
①リクエスト
・アプリで目的地を入力する。マッチングが完了すると、ドライバーの画像と車の詳細を確認。ドライバーの到着状況を地図上で見ることができます。
②乗車
・アプリに事前に通知された車両の詳細情報と一致することを確認して乗車する。
③降車
・ハイヤーの乗車料金は、登録してある支払方法によって自動清算されます。
UberⅩに内在するリスク
UberXは、利用者の利便性と車両オーナーの副業欲求をうまくマッチングさせていますが、出会い系サイト的な側面があることは否定できません。
車両オーナーの登録制度があったとしても、難しい審査があるわけではありません。Uberの本国アメリカでも、車両オーナーと利用者のトラブルや犯罪は後を絶たず社会問題にもなっています。
私が3年ほど前に「Hawaii News Now」で読んだアメリカでの犯罪事例です。現地メディアのトップニュースとして取り上げられ、Uberの登録制度が問題になった事件です。
ハワイ・ホノルルのショッピングセンター・アラモアナセンターから、2人の女子高生がUberを手配しました。ドライバーは、1人を自宅近くへ送ったあと、残る1人の女子高生を自宅へ送る途中、突然車を道路わきに停車させました。そして、その女子高生を襲ったのです。
その後、犯人は逮捕されました。しかし、女子高生は一生心に残る傷を負いました。
Uberの問題に関して、いろいろ議論されていましたが、結局結論は出ませんでした。私もその後の経過は確認していません。
ただ、日本ではUber歓迎の世論だけが大きく取り上げられ、このような痛ましい事件が海外で起きていることが報道されないのか、とても不思議な気持ちになりました。
出会い系サイトとは言わないけれど・・・
UberXのドライバーのリスクをだれが担保するのか、あるいはできるのか、逆に、利用者にドライバーが襲われるリスクもあります。
犯罪歴がなくても、衝動的に犯罪を犯してしまうことも十分考えられます。ドライバーと利用者、どちらもサイトに登録されていますから、出会い系サイトほどのリスクは無いかもしれません。
しかし、そのような動機を持った人物が登録しないという保証はどこにもありません。タクシーやハイヤーなど、プロドライバーのモラルと比較すべくもないのは明らかです。
まとめ
私に娘がいたら、絶対にUberXは使わせません。娘も使わないでしょう。
海外でUberが発達した理由の一つに、海外のタクシーの質が悪いことがあげられます。わざと遠回りしたり、法外は料金を請求したり・・・、モラルの問題なんでしょうけど。
まったく目的地と違うところへ連れていかれ金銭を巻き上げられたり、そんなお国の事情がUberを利用せざるをえない事情にもつながっています。
ウィキペディアによれば、中国などUberが撤退した国もあるようです。
sukkiri.net/sharering-economy/
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