「墓じまい」の理由はいろいろありますが、墓が自宅から遠く、寺との関係が疎遠になっていることもその一つ。
年忌法要のときしか墓参りをしたことがない人、実家の寺のご住職と話をしたことがないという人も増えました。
”寺離れ”といわれますが、お墓が自宅の近くにあれば、「墓じまい」を考える人は少ないはず。改葬のための「墓じまい」が多いことも、それを裏付けています。
「墓じまい」の費用は寺との普段からの付き合い方でも変わる?
「墓じまい」とは、お墓を撤去して更地にもどすことを言いますが、ご住職にしてみれば、檀家が減るわけですから、心穏やかではありません。
寺の維持には、建物の維持費、本山への上納金、そして住職自身の生活やお付き合いもありますから、一定数の檀家数がなければ成り立たないのが実態。最低でも200~300は必要とも言われます。
核家族化で、墓の後継者が古くからの土地を離れるケースが増え、実家の寺との付き合い少なくなり、毎年の護持会費や維持費がもったいないと思うことも。
ご先祖を供養したい気持ちはあっても、墓地が自宅から遠いと精神的にも経済的にも大きな負担になってしまうのが実情です。さらに、高齢になれば、体力的にも大変に。
悩んだ末に、墓を自宅の近くに移したいと考えるのは、当然の成り行きともいえます。そもそも、「墓じまい」の決断に行きつくまでには何年も迷ったはず。
しかし、何年も行ったことがなく、広い墓地で、お墓の場所もはっきり覚えていないような状況なら、早目に「墓じまい」を検討して、自宅近くの墓地へ改葬することをおすすめします。
「墓じまい」にかかる費用
「墓じまい」とは、墓石を撤去して更地にもどすことですが、檀家をやめるための離檀料、改葬の場合は役所への手続き、新しい墓地の購入費用がかかることになります。
日経新聞の鎌倉新書(東証1部)への取材によれば、「墓じまい」そのものは、1平方メートル当たり10万円が相場で、離檀料など諸手続きを含めると30万円程度が多いとのこと。
疎遠だったり、管理料を払っていないなど、「墓じまい」する寺との関係がうまくいってないと、離檀料でこじれることが珍しくありません。
改葬には役所の手続が必要ですが、住職から印鑑を押してもらえなければ、遺骨を新しい墓地へ移すことができないので、要注意! 結構トラブって、改葬できないこともあるようです。
できれば、一連の流れをパッケージにして専門業者へお願いしたほうがいいでしょう。
改葬先の墓地の決め方
うまく「墓じまい」できるかどうかは別として、まず新しい墓地を決めておかなければなりません。自宅から遠い郊外の霊園は、たとえ周辺の環境が良いとしても避けたほうがいいですね。
また、足が遠のいて、なんのための「墓じまい」かわからなくなってしまいます。
- 自宅から近い?
- 霊園か寺院か?
- 宗旨・宗派は?
- 入檀料・管理費は?
- 住職の雰囲気は?
若いうちは、多少遠くても車の運転も面倒ではないし、帰りに近くの行楽地へ寄ってくるのも悪くはありません。しかし、気軽に立ち寄れるぐらいの距離でなければ、高齢になってから負担になるのは目に見えてます。
自宅近くに、同じ宗旨・宗派の寺院があれば直接相談するのもいいですが、万一断りたいときにちょっと面倒かもしれません。
できれば、お墓の専門サイトで下調べをしてから、何ヵ所か現地見学をおこなって候補を絞りこめば後悔することも少ないでしょう。新しい住職との相性が悪かったら元も子もありません。
まずは全国の墓地を紹介する最大級のお墓ポータルサイトで探してみてください。
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