ある雑誌に、ヒルドイトソフト軟膏0.3%は、”人体に対しては保湿ではなく、むしろ強烈な皮膚乾燥剤として作用する”との記事が。
ヒルドイトって保湿剤じゃなかった?との疑問が・・・。
冬場、乾燥肌でかゆみが出たときに、ヒルドイトソフト軟膏0.3%を処方してもらい、ときどき使っていましたから、そのままスルーするわけにもいきません。
ヒルドイトは、ソフト軟膏以外に、クリーム、ローション、スプレーの4種類がありますが、ローションにも乾燥剤と同じような作用があるとのこと。
一時期、美容目的で使われたこともあるヒルドイトですが、この記事が気になり調べました。
乾燥肌に処方するヒルドイトでなぜ乾燥?
ヒルドイトは、ヘパリン類似物質を主成分とする保湿剤で、アトピー性皮膚炎の方からもたよりにされている保湿剤です。
このヘパリン類似物質には、保湿効果以外にも、血行促進や抗炎症作用があり、乾燥肌やシワなどへの効果が期待されることから、美容目的で使われたことで話題になりました。
”高価な美容液より安くて効果がある” ”健康保険が使える” などの理由で、実際の目的を隠して処方してもらう人も。
「界面活性剤」が皮膚を乾燥させる
雑誌に記事を寄せている医師によれば、ヒルドイトの主成分のヘパリン類似物質ではなく、基剤として使われている界面活性剤に問題があるとのこと。
界面活性剤は、石鹸などに使われ、油を水と馴染ませるはたらきをします。
油と水が馴染むことで、カラダの油分を落とすことができるわけですが、強すぎれば必要な油分まで落としてしまうことになります。
記事によれば、ヒルドイトローションには、台所洗剤の原液並みの強力な洗浄力があり、換気扇の油汚れまでおとしてしまうとのこと。
実際のテストでは、腕に油性マジックで線を描き、その上からヒルドイトローション0.3%を塗布。
5~10秒後にティッシュペーパーで拭き取ると、マジックの線がみごとに消え、”これだけの洗浄力があれば皮膚はカラカラに乾燥する” との説明。
油分を落としすぎてしまうので、皮膚の水分がかえって蒸発してしまう、ということのようです。
しかし、わたしが使っているのは、ヒルドイトソフト軟膏0.3%ですが、肌の調子が良くなったことはあっても、トラブルはまだ経験していません。
同じ成分のクリームは通販でも買える
ヒルドイトソフト軟膏やローションは、医師の診断がなければ、処方してもらうことができません。
ヒルドイトは、健康保険を使えば、容量25g・180円で入手することができますが、美容目的で処方してもらうことは違法!
ヘパリン類似物質を配合した保湿剤には、「第2類医薬品」もあり、健康保険は使えませんが、通販などでも購入することができます。
こちらは、ピアソンHPローションですが、有効成分はヒルドイトと同じく、ヘパリン類似物質0.3%配合です。
ヒルドイトローション0.3%の効果
ヒルドイトローションには、皮膚の保湿作用があり、乾燥肌の症状をやわらげます。さらに、血行を促進して、血行障害が原因の痛みや腫れを抑える効果があります。
ヒルドイトローション0.3%のメーカー、マルホ株式会社の公表資料などから、効果・効能などをまとめてみました。
<商品名>
ヒルドイトローション0.3%
<医薬品メーカー>
マルホ株式会社
<効果・効能>
刺激が少なく、ケロイドの治療と予防、瘢痕(はんこん)、指掌角皮症、皮脂欠乏症、関節炎、痔核、血行障害の炎症性疾患、凍瘡(とうそう)、打撲による関節炎などの治療に使われます。
<使い方>
通常、1日1~数回、適量を患部に塗ります。
<副作用>
皮膚に刺激を感じたり、過敏症、皮膚炎、発疹、発赤、紫斑などの症状が出た場合、すぐに中止する必要があります。
<禁忌>
以下の患者さんには、ヒルドイトローションを使うことができません。
〇出血性血液疾患(血友病・血小板減少症・紫斑病など)
〇わずかな出血でも重大な結果をきたすことが予想される患者
<妊産婦・授乳婦の使用について>
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないとのこと。
<投与部位>
1.潰瘍や糜爛(びらん)した部位を避けて塗布します。
2.眼には使用できません。
<成分>
成分(1g中) | ヘパリン類似物質 3.0mg |
添加物 | グリセリン、白色ワセリン、スクワラン、セタ ノール、還元ラノリン、セトマクロゴール1000、 モノステアリン酸グリセリン、パラオキシ安息 香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、カ ルボキシビニルポリマー、ジイソプロパノール アミン |
性 状 | 白色のローション剤で、特異なにおいがわずかにあります |
※ 詳しくは、専門医へ相談してください。
まとめ
ヒルドイトについては、専門医のあいだでも批判的な意見があるようです。
たしかに、界面活性剤については、体に良いとは言えませんが、使用感や使いやすさを考え、ほとんどの化粧品、そして食品にも使われています。
使わなければ、水と油が分離してしまいますから。
その意味では、ヒルドイトも許容範囲内だと思っています。
医薬品にかぎらず、どんな化粧品やサプリメントにも、正しい容量と使い方があります。そのルールを守ることで、安全にその効果を体感することができるわけです。
私自身の経験上、皮膚疾患でいえば、ヒルドイトに限らずステロイド剤についても同じことが言えます。
効かない薬を我慢しながら使い続けるより、症状が出たら、かゆみを抑えるために使っています。
いまでは肌の状態が改善して、ステロイド剤の使用はほとんど不要になりました。
ちなみに、私が使っていたステロイド剤は「メサデルム軟膏」。ステロイド剤のなかでも、かなり強い成分を配合しています。
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