歯周病が原因で、外科手術を受けたのは、30代のときでした。
初期段階でしたから、自覚症状も少なく、歯科医師からすすめられなければ、多分、いまごろ歯が抜けていた?
さらに、糖尿病や動脈硬化、誤嚥性肺炎、早産、さらにはガンや痴ほう症を引き起こすこともあると言われますから、別の病気をわずらっていた可能性も。
手術についてお話する前に、歯周病についての基礎知識について若干説明しておきます。
記事が、ちょっと長くなってしまいました。
歯周病は年齢に関係ない!
8020運動は、厚生労働省と日本医師会が推奨している”80歳で自分の歯を20本残そう”という運動のこと。
歯周病が進行して、歯がグラグラになり、さらに抜けてしまったら、時すでに遅し。
歯の本数は、上下合わせて28本ですから、60歳平均ですでに15.8本になってしまうことに。8020運動は、実態にほど遠い?
厚生労働省の調査によれば、15~24歳の3人に2人、25~34歳の4人に3人が歯肉炎とのデータも。
私も、そのうちの一人でした。
歯周病(歯槽膿漏)は10代からはじまっている?
10代、20代で、歯ぐきの炎症を歯周病、つまり歯槽膿漏と結びつけて考える人は少ないと思います。
はじめは歯ぐきが腫れたり血が出る歯肉炎ですが、そのままほおっておくと歯周炎になり、やがて歯槽骨(歯を支えている骨)が溶けはじめ、歯が抜ける原因に。
歯肉炎の段階なら治すことができるそうですが、溶けて吸収されてしまった歯槽骨は元へはもどりません。
つまり、厚生労働省の調査によれば、15~24歳の3人に2人が歯周病ということに。
30代で受けた歯周炎の外科手術
溶けてしまった歯槽骨が、もとへもどることはありません。
症状が進行すると、歯ぐきだけを治療しても歯をささえることができないので、グラグラになって最終的に歯が抜けてしまいます。
歯槽骨が溶け出す前に、歯周炎の段階で治療するのがポイントのようです。
私の場合、かかりつけの歯科医師から、歯周炎の外科的治療をすすめられたのが、32~33歳ぐらいだったと思います。
症状は、つぎのようなものでした。
- 口臭がする
- 歯ぐきからときどき血がでる
- 歯ぐきがときどき腫れる
だれもが、1度や2度、このような経験をしているのではないでしょうか。
”リンゴをかじると血が出る”、決まり文句のフレーズですが、血がでるだけで、痛みが無いのでついそのまま放置してしまいます。
そうすると、知らず知らずにうちに症状が悪化して、気が付いたら奥歯が無くなっていた、なんてことに。
歯科医師から見ると、私はその予備軍だったのかもしれません。
歯科医師の説明では、
手術は簡単で、歯ぐきを切開して悪い部分を切り取って、縫合するだけだから、簡単に終わります。
とのこと。あとで調べたら、フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)とわかりました。
予約の日、定時退社で歯科医院へ。
手術は、40分ほどで終わったように思いますが、麻酔をかけていますから、もちろん痛みはありません。
手術が終わり、感染予防の抗生物質、麻酔が切れたあと痛み止めが処方されましたが、痛み止めは飲まないで大丈夫でした。
自宅へ戻ってから、止められていた風呂へ入ったのが失敗でした。実際には、シャワーを浴びただけでしたが・・・。
翌日、頬がかなり腫れ、その後しばらくもとへは戻りませんでした。
大事には至りませんでしたが、医者の注意をきちんと守らないと、大変なことになります。
フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)とは
東京勤労者医療会 代々木歯科のHPを参考にすると、手術はつぎのようなものです。
フラップ手術(歯肉剥離掻爬術(しにくはくりそうはじゅつ))は、歯周ポケットが深くなって、歯垢(プラーク)や歯石を完全に取れないときにおこないます。
麻酔をして歯肉をメスで切り歯周ポケットを切除したあと、歯肉を歯槽骨から剥がし、歯と歯肉の間に溜まっていた歯石/歯垢(プラーク)を除去した後に、歯肉を元の位置に戻して縫合する手術法です。
代々木歯科の説明では、さらに、
手術は通常、1時間くらいかかります。・・・治療の後は、縫合して、包帯しますので、1週間後に縫合と包帯を除去し、経過を1~数ヶ月経過を追います。
となっていますが、私の場合、包帯はしませんでした。手術したのが1本だけだったからかもしれません。
もし、初めにこの説明を聞いていたら、手術をしていなかったかも・・・。
やってよかったフラップ手術
歯周炎を治すためのフラップ手術は、術後、私の不注意から大変な思いをしました。
しかし、その後、30年以上、症状が再発することもなく、他の奥歯を虫歯で1本失っただけ。
このフラップ手術で救われた1本を含め、27本が元気に残っています。
歯科医師の指導どおりに、正しい歯の磨き方などを、しっかり続けてきたことも良かったようです。
日常生活での歯のケア
一般的に推奨されている正しい歯のケアとは違うところもありますが、面倒くさいので手抜き?しています。
- 朝・夕食後は必ず歯磨き
・昼食後は、ニオイケアのために、ブクブクうがいと、マウスウォッシュだけ。
・かかりつけの歯科医師からは、起きているときは、唾液の分泌が良いので、昼食後の歯磨きはそれほど気にしなくても大丈夫、との説明を受けました。 - 歯磨きは食後20分たってから
・食後、口の中が酸性になっているので、すぐに歯磨きをすると歯を削ってしまいます。唾液の分泌で、歯が再石灰するのを待って磨くのがポイント! - 夜は「歯間ブラシ」と「フロス」を併用
・「歯間ブラシ」「フロス」とも自分の歯に合ったサイズを使います。
・フロスは、歯と歯が密着した部分の掃除用です。※歯ぐきを痛めないように注意! - 定期的に歯をチェック!
・3ヶ月に1回、歯医者さんで歯垢(プラーク)除去をすすめている記事をみますが、私の場合、年1~2回程度。歯垢も、あまり付いていないので、それで十分のようです。
夜の歯磨きは「夕食後」「就寝前」どっち?
口臭対策としては、就寝前の歯磨きがおすすめです。
でも、私の場合、夕食後20分ぐらい経ってから歯磨きをしています。
メリットは、テレビを観ながらの間食しなくなったこと。
歯を磨いてしまうと、その後、なにかを食べたいという気持ちが無くなり、メタボ対策にもなっています。
歯科クリニックの選び方がポイント!
私が幸運だったのは、かかりつけの歯科クリニックが、口腔外科を得意としていたことです。
もし、虫歯の治療だけだったり、すぐにインプラントをすすめる歯科クリニックであれば、30代で早期に歯周病治療をしていなかったと思います。
口腔外科が得意なクリニックは、HPで確認することができます。
まとめ
病気の治療は、かかった医師の知識や技術レベルの違いで、運不運にわかれます。
一度、診てもらうと、クリニックを変える勇気がなかなか起きませんが、総入れ歯にならないためには、歯科医師の技術レベルをしっかりチェックすることが必要です。
また、インプラントは、歯周病があったら施術することはできません。
いずれにしても、まずは、歯肉炎や歯周炎の兆候を見逃さないようにして、しっかりしたケアを心がけたいですね。
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