花王の人工皮膚「バイオミメシス ヴェール」が、2019.12.4に発売になりました。
アットコスメなどの口コミもいいようですが、購入できる店舗は、「エスト」ブランドを取扱っている百貨店などに限定されているようです。
大手ネット通販では、正規品の取り扱いは「Yahoo!ショッピング」だけのようです。「Amazon」「楽天」では取り扱いがありませんでした。※2020.5.17現在
人口皮膚の使用法は、肌の表面に極薄膜をつくり、肌の表面の水分環境を整え、寝ているあいだにスキンケアをするというもの。
”シミやシワを隠すため”と説明しているメディアもありますが、現段階では外出時の用途としての考えはないようです。
今後、メイクアップやボディケアの用途として開発していくとのことですが、将来的には、治療や医療分野への応用も視野に入れているとのこと。シミ・シワなどに悩む方にとっては朗報です。
「肌がもちもちした」など、口コミの使用感も好評ですが、使い慣れるまでに1週間ぐらいかかった、という方もいるようです。
花王の人工皮膚「バイオミメシス ヴェール」は高機能パック?
医療と美容では、人工皮膚に対する基本的な考え方が違います。
最新の医療分野における人工皮膚研究は、手術などによる傷を一時的に覆うもの、あるいは損傷あるいは欠損部の皮膚を永久的に再建する目的で研究がすすめられています。
一方、美容では、美容成分を肌に浸透させたり保湿することを目的としたものと、シミなどを隠すための人工皮膚があります。
花王の人工皮膚「バイオミメシス ヴェール」は、夜のお手入れの最後にエフェクターを付けた上から、ディフューザーで極細繊維を吹き付けます。そして、朝になったら、顔から人工皮膚をはがします。
ちょうど、フェイスマスクを一晩中つけているようなイメージですね。もし、フェイスマスクを長時間つけっぱなしにしたら、マスクが乾き水分が吸収されて逆効果。
しかし、「バイオミメシス ヴェール」の人工皮膚はその心配はないようです。
「バイオミメシス ヴェール」驚異的な薄さ!
※画像は花王「バイオミメシス ヴェール」のニュースリリースから引用
「バイオミメシス ヴェール」は、小型機器「ヴェールディフューザー」を使って、人工皮膚をつくります。
「バイオミメシス ヴェール」の人工皮膚の厚さは、なんと1㎛(マイクロメートル)!
ちょっとイメージが湧きにく厚さですが、百万分の1m、千分の1mm、という薄さです。たとえば、超精密部品のギアの許容誤差。フォーミュラカー「F1」のエンジンに使われるギアの精度がこのくらいでしょうか。
よけい、分かりにくい?つまり、日常生活ではまったく考える必要がないほどの薄さになります。
「バイオミメシス ヴェール」の使い方は、つぎのようになります。
- 夜のスキンケアの最後に、肌に、美容液「ヴェールエフェクター」をなじませます。
- 「ヴェールディフューザー」(小型機器)に、化粧液「ヴェールポーション」をセットして、肌に極細繊維を吹き付けます。
- 朝起きたら、人工皮膚をはがします。
「バイオミメシス ヴェール」は、一晩中つけているフェイスマスク、といった感じでしょうか。こちらが、実際の動画です。
極細繊維が、均質に噴き出されて人工皮膚がきれいに形成されていることに驚かされます。
「バイオミメシス ヴェール」の口コミ
バイオミメシスベールの口コミが、少しづつ上がってきました。
- 肌がもちもちした
- ゆで卵を洗っているようなツルツル感
- 膜は目立たないマットな質感
など、使用感はとても好評ですが、一方でこんな意見も。
- 使い慣れるまで1週間ぐらいかかった
- 目元のシワには使えなかった
- 価格が高いので購入に踏み切れない
どんな化粧品やサプリメントでも同じですが、使う方の目的によって合う合わないがありますから、評価もさまざまなのは仕方ありません。
「バイオミメシスベール」を上手に付けるには、美容液をしっかり塗ったほうがいいようですが、ディフューザーの使い方に慣れるまで多少時間がかかるのはやむをえませんね。
バイオミメシスヴェール ディフューザー使用については、エストの公式サイトの注意書きをしっかり確認したほうがいいでしょう。
「バイオミメシス ヴェール」価格と販売店舗
販売価格は、ニュースリリースによれば以下の通りです。
●ヴェールディフューザー
価格:5万円
●化粧液「ヴェールポーション」
価格:8,000円
※約45回分:ディフューザーにセットする
●専用美容液
価格:12,000円
レフィル:11,500円
内容量:40g
※ブランド「est(エスト)」or「SENSAI(センサイ)」
販売スケジュール
〇2019.12.4~
直営店・百貨店6店 先行発売
直営店:「BEAUTY BASE by Kao」(東京都中央区銀座)
百貨店:伊勢丹新宿店/西武池袋本店/髙島屋横浜店/ジェイアール名古屋タカシマヤ/阪急うめだ本店/あべのハルカス近鉄本店
〇2020年~
順次百貨店での取り扱い店舗を拡大予定とのこと
バイオミメシス ヴェールで提供される美容液は、「est(エスト)」「SENSAI(センサイ)」の2種類あります。
ニュースリリースによれば、アジアでは花王のブランド「est(エスト)」として、ヨーロッパでは、カネボウ「SENSAI(センサイ)」として販売する計画のようです。
ちなみに、株式会社カネボウ化粧品は、花王株式会社の完全子会社になっています。
「線維芽細胞」医療・美容分野共通のキーワード!
医療分野と美容分野では、人工皮膚の開発目的に違いがありますが、共通のキーワードが「線維芽細胞」です。
線維芽細胞は、最近、スキンケアのキーワードとして注目されていますが、医療分野では、傷口への効果とその増殖スピードの速さから、かなり以前から着目され人工皮膚の開発に用いられてきました。
線維芽細胞は真皮層にあるので、美容的には、肌の外側から美容成分を浸透させるのが難しいのですが、低分子化やイオン導入などの技術進歩によって、真皮層までとどかせることができるようになってきました。
しかし、肌質を根本的に変えようと思ったら、内側からのケアが欠かせません。肌は、常に内側から外側へ作られていくものだからです。
線維芽細胞にはたらくビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの生成に必要な成分で、ビタミンCが不足すると血管がもろくなり出血しやすくなり、壊血病の原因になります。
このビタミンCが、スキンケアのカギを握る線維芽細胞にはたらくことは、あまり知られていないようです。
ビタミンCが不足すると、線維芽細胞が本来のはたらきを発揮することができないため、コラーゲンなどの美容成分の産生が不足することに。
多くの哺乳類では、ビタミンCを体内でつくりだすことができますが、ヒトの場合、体内合成できないので、外部から取り入れる必要があります。
食品として摂る方法もありますが、皮膚から吸収しやすい形にして、美容液にも配合されていますので、自分にあった方法で補うことが大事です。

線維芽細胞を内側から活性化
肌を内側からケアしようとすれば、生活習慣や食生活の見直しが必要になりますが、年齢など、それだけでは十分なケアが難しい場合があります。
美容ドリンクは、肌を内側からケアすることを目的として開発されていますが、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンなどの美容成分は、そのまま飲んでも直接肌にはたらくわけではありません。
基本的には、一度アミノ酸に分解され、線維芽細胞で再合成されます。つまり、線維芽細胞が元気でなければ、スキンケアには充分はたらいてくれないことに。
コラーゲンでも、ペプチドの形で一部が吸収され、線維芽細胞にはたらくことがわかっていますが、そのまま肌のコラーゲンにはなりません。
花王「バイオミメシス ヴェール」で使われる美容液の線維芽細胞への働きはわかりませんが、あわせて線維芽細胞に働く美容ドリンクを試してみるのもいいかもしれません。


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