睡眠の質が上がれば、爽やかな目覚めとともに心身ともに充実した1日を過ごすことができることは、だれもが実感しているはず。
私自身も、いつもより早めに寝たのに(横になっただけ?)、なかなか寝付かれず、日中頭がボーッとしていたことがたびたび。
ネットには、安眠、快眠など、質の良い睡眠のための情報があふれ、本屋には、不眠に悩む方のための指南書がたくさん並んでいます。
効果があるとわかっていても、質の良い睡眠をとることができずに悩んでいる方がとても多いのは、なぜ?
眠れなかったときの様々な状況を思い返してみると、理想とされる睡眠前のルーティンを守るのがとても難しいことがわかります。
続けるのが難しい安眠のためのルーティン
睡眠の質を向上させる、つまり安眠のためのおもなルーティンとして、一般的に言われているのがつぎのような項目です。
現役世代では、これらの項目のうち、2つ以上を毎日続けるのは、とても難しいかもしれません。※時間の長短には諸説あります。
- 夕食は就寝3時間前までに摂る
- 入浴は就寝2時間前までにすませる
- 就寝前にスマホ・PC操作をしない
- 寝る前に飲酒・カフェインは控える
- 寝る30分~1時間前に軽い運動をする
- 就寝・起床時間のリズムを一定にする
- 朝起きたら日光を浴びる
いずれも、睡眠ホルモン呼ばれるメラトニンの分泌、深い睡眠のための深部体温の低下、体内時計のリセットによる睡眠リズムの調整などに効果があり、深い睡眠のための生活習慣としてよく知られています。
すべての項目を守ることができれば最高のルーティンかもしれませんが・・・。
最終電車で帰宅して、シャワーを浴びたら、そのままダウン。早く帰宅した日には、テレビを見ながら晩酌。休日は、昼頃まで寝て、起きたらテレビゲームに夢中。
仕事が忙しいときなど、時間割りどおりの生活はまず無理。逆に、睡眠前のわずかな時間でのスマホやゲームは、安眠の妨げにはなりますが、ストレス解消になっている人も。
個人的にも、現役時代、寝る3時間前までに食事をして、2時間前までにシャワー、なんて神ワザ。
興奮して眠れないときに試したい呼吸法
転勤先への初出社、ゴルフや旅行の前日など、早めに布団に入ったのになかなか眠れなかった経験も多いはず。
- イベントの前日に興奮して眠れない
- ゲームや連ドラの続きが気になる
- 上司や同僚との口論を後悔
- 明日のプレゼンが不安
体は眠る体勢になっていますが、頭の中はさまざまな想いが駆け巡り、安眠どころかまずます覚醒。”眠らなければ”と焦るほど、ますます眠れなくなってしまいます。
そんなときにおすすめなのが、ヨガや気功などでおこなう腹式呼吸。心身をリラックスさせる効果があります。
私がおこなっているのは気功の丹田呼吸法(たんでんこきゅうほう)。
手の位置は、このイラストと同じですが、目は半眼にして、両手のひらを丹田(臍(へそ)下三指のツボ)に向け、丹田を意識して、呼吸に集中します。
お腹を膨らませて横隔膜を下げることによって、鼻から空気を吸い込み、お腹を凹ましながらゆっくり口から吐いて気を高めます。吐くときは、吸うときの2倍ぐらい時間をかけてゆっくり吐きます。
慣れてくると、1分間に3~5回ぐらいの呼吸数になると思います。
寝るときにおこなうのは、丹田呼吸法の応用です。
- 仰向けに寝て目を閉じ両手を軽く拡げます
- 手のひらを上に向け意識を丹田に集中させます
- お腹を膨らまして鼻から息を吸います
※5つ数えるぐらいの長さ - お腹を凹ましながらゆっくり息を吐いていきます
※10を数えるぐらいの長さ
他のことは何も考えずに、呼吸だけに意識を集中して繰り替えしおこなううちに、気分がリラックスしていくのがわかります。
丹田呼吸法を続けていると、睡眠だけに限らず、体調にも良い変化が出てくるはずです。
まずは睡眠環境をととのえて
日常の生活習慣を変えなければならないルーティンは、続けることが難しくても、寝室や寝具など、睡眠環境をととのえることはいつからでも始めることができます。
初期投資は若干必要ですが、将来質の良い睡眠をとり続けることができるなら、けっして高くはないでしょう。
寝室の間取りやスペースによっては、好みに合った睡眠環境にはならないかもしれませんが、枕一つを変えるだけでも、目覚めがかなり変わります。
◎部屋の照明を暗くする
- 就寝前、部屋の照明の明るさを落とし、リラックスして過ごします。寝室は、電球色など暖色系の間接照明、できれば調光できるものがベター。
- 照明機能がついた目覚まし時計には、調光によって睡眠環境をととのえることができるものがあります。
◎自分の体に合った寝具を選ぶ
- 枕は、自分の首と頭の形に合ったものを選びましょう。また、横になったときに、頭が低く下がらないように設計されたものがおすすめです。合わない枕は、肩こりなど、睡眠を妨げる原因になります。
- 布団の上掛けは、重すぎず軽すぎず、好みに合ったフィット感が大事です。軽すぎると、包まれた感じがしないので、寝づらくなることも。
- 敷布団がふかふかし過ぎると、なかなか寝付かれないことがあります。とくに、へたった敷布団でお尻が沈みこむようになると、腰痛の原因にも。
- 寝巻き
・寝巻きは、ゆったりしたサイズのものを選び、肌を刺激しない素材を選びましょう。敏感肌の場合、材質によっては肌への刺激になることも。
いずれの寝具も、湿っているとストレスになりますから、清潔と乾燥を意識して使いましょう。
◎香り
- 食事や食べものの匂いは、睡眠時の妨げになりますので、室内に残っているときは、窓を開けて空気を入れ替えておきましょう。
- 気分をリラックスさせるフレグランスを使うと、睡眠にとても効果があります。ただし好みの香りが、かならずしも睡眠にふさわしいとは限りませんから、成分をチェックしてから使いましょう。
睡眠を改善するサプリメント
睡眠を改善するはたらきがあるとされる機能性成分には、つぎのようなものが知られています。
- L-テアニン
- GABA
- ラフマ
L-テアニン、GABA、どちらも機能性表示食品として、多くのサプリメントやチョコレートなどに配合されていますから、ご存知の方も多いと思います。
L-テアニンは、交感神経系の活動をおさえることで心身をリラックスさせ、睡眠を安定させるはたらきがあるとされています。もともと、高級な玉露などのお茶にふくまれる成分です。
GABAは、精神を安定させる神経伝達物質で、交感神経の働きをおさえ、ストレス効果やリラックス効果があり、睡眠の質へのはたらきが期待されています。
ラフマは、ラフマ葉という天然素材に由来した成分で、睡眠の質(眠りの深さ・起床時の睡眠に対する満足感)の向上に役立つことが報告されています。
【機能性表示食品】『ネムリス』には、このラフマ以外にも、「L-テアニン」と「GABA」が配合されています。
サプリメントには他の成分も併せて配合されていますので、体質などを考えて自分にあったサプリを選ぶのがポイントです。
また、サプリメントは補助的なものですから、他の生活習慣や食生活の改善を心がけたうえで、メーカーが推奨する目安量を守って飲むようにしましょう。
まとめ
睡眠不足は、日中は頭がボーッとして仕事の効率が上がらないだけでなく、連日続くようであれば、心身の健康にも影響がでてきます。
睡眠の質を向上させるための理想的なルーティンは、おおくの書籍やネットの情報などで採り上げられています。
一つひとつのルールは決して難しいものではありませんが、生活リズムが不規則な現役世代にとって、継続することは至難のワザ。
ここでは、そんな方のために、私が実践している以下の解決法を紹介しました。
- 睡眠前の呼吸法(腹式呼吸)
- 寝室に適した照明
- 体に合った寝具の選び方
(枕、上掛け、敷布団、寝巻き) - 気持ちをリラックスさせる香り
- 睡眠のための機能性サプリメント
多少費用はかかりますが、即実行できて、努力はほぼ無用、費用対効果は大きいはずです。
睡眠前のスマホやPCは控えたほうが良いことは、このサイトの別の記事でも書いています。しかし、帰宅してから睡眠までのわずかな時間を、TVを見たり、スマホやPC操作に使うことで、仕事のストレス解消になっている人もいます。
私も、就寝ギリギリまで、ゲームや週刊誌を読むことも・・・。その続きが頭に浮かんで眠れないこともありますが、翌朝、寝不足にならなければ、精神的にはプラス!!
日中、疲れ切るほど体を動かしたら、その夜はぐっすり眠れるのは間違いありませんが・・・。
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