紫外線による肌への傷害と光老化
年齢とともに増えてくるのが、顔や手の甲のしわやシミ。友人とのコーヒータイムでは、相手の視線が手の甲にささっているような気がすることも。
しわやシミは加齢によって増えていくものと思いこんでいましたが、環境省の情報によれば、じつは紫外線の影響が大きいのだそうです。
たしかに二の腕の内側など、日光をあまり浴びることがない肌は年齢に関係なくつやつやすべすべしていて、たぶんしわやシミもありません。
しわやシミができる原因には、若いときから浴びつづけてきた紫外線が大きく関係しているようです。
紫外線による「急性傷害」と「慢性傷害」
紫外線による皮膚などへのダメージには、「急性傷害」と「慢性傷害」があります。環境省のHPでは、それぞれの傷害として、つぎのような病名をあげています。
- 急性傷害
・日焼け(サンバーン・サンタン)
・紫外線角膜炎(雪目)
・免疫機能低下 - 慢性傷害
<皮膚>
・しわ(菱形皮膚)
・シミ、日光黒子
・良性腫瘍
・前がん症(日光角化症、悪性黒子)
・皮膚がん
<目>
・白内障
・翼状片
慢性傷害は、紫外線を継続的に浴び続けることでじわじわと症状が悪化していきますから、日々の変化では気づきにくいのが特徴です。
ヤケドのようなひどい日焼け(サンバーン)であれば、すぐに処置をしないと睡眠や日常生活にも支障がでますが、慢性傷害の場合、すぐに見た目や痛みなどの症状があらわれないので、ついケアがおろそかになりがちです。
しわやシミは、紫外線対策をおろそかにしてきた長年のツケが、10年、20年後に顔や手の甲などの皮膚にあらわれた結果ということになります。
しわやシミが気になるのはもちろんですが、さらに皮膚がんになるリスクを考えると、若いときからの紫外線対策がとても大切なことがわかります。でも若いときは、そこまで考えられないんですね。
長年紫外線を浴び続けて起きる「光老化」
環境省の資料では、「光老化」(ひかりろうか)について、つぎのように説明しています。
光老化とは、小児期から長年太陽光線を浴びた皮膚に見られるシミ(小さな色素班で日光黒子と呼ぶ)やシワなどの皮膚の老化症状である
二の腕や太ももの内側など、日光を浴びない部位の老化とくらべると、光老化は若い年齢で現れ、アジア人では20 歳を過ぎると慢性傷害としてあらわれるようです。
光老化は、約 80%が太陽からの紫外線が原因と考えられており、なかでもシミが一番早く症状としてあらわれるとのこと。
年代別では、早い人では、20 歳過ぎから、顔や肩から背中にかけて、強い日焼けを繰り返した皮膚にシミが出始めます。
さらに30歳ごろになるとしわができはじめ、40 歳ころには、皮膚の良性腫瘍(脂漏性角化症:顔など日光ばく露皮膚にできるいぼのようなざらざらした米粒ほどの小さな、薄い褐色の皮疹)ができるようです。
光老化は、子どものときから浴び続けた紫外線によるものなので、早い時期から紫外線対策をしっかりおこなえば、光老化の発症をかなり遅らせることができると説明しています。
日本人は白色人種より紫外線に強い?
一般的に、日本人などの有色人種は、白色人種にくらべて紫外線の影響が少ないといわれています。
しかし、赤く(サンバーン)なっても黒く(サンタン)ならない人、すぐに黒くなる人など、おなじ日本人でも肌質には違いがあります。
国際標準のスキンタイプでは、白人が該当するタイプⅠから黒人が該当するタイプⅥまでの6段階に分類していますが、日本人の場合、タイプⅡからⅣくらいまでとかなり幅があります。
日本人は、白人よりも紫外線に強いといわれていますが、肌が黒くなりにくい人は、しっかりと紫外線対策をしたほうがいいようです。
まとめ
紫外線による健康への悪影響が、雑誌やメディアなどでさかんに取りあげられるようになったのは、日本ではまだ最近のこと。
もう少し早くわかっていれば良かったと思いますが、これまでに蓄積してしまった紫外線の影響はどうにもなりません。とはいえ、光老化をさらに進行させてしまうようなライフスタイルは避けるべきです。
外出時の紫外線対策は、今や常識。
- 日傘
- 長袖のシャツ
- サングラス
- UVクリーム
※室内でも必要になることも・・・ - 紫外線が強い時間帯の外出を避ける
すでにシワができてしまっていても、あきらめてしまうのはまだ早いようです。
近年、深いしわを改善する有効成分として注目されているが、「ナイアシンアミド」。ナイアシンアミドは、紫外線によるダメージを受けたDNAを修復する酵素反応と関わりがあるようです。
どんなに評判のよいスキンケアアイテムでも、使用する人の肌質や体質によってはあわないことも。
私自身、肌質が変わったのでしょうか、これまで保湿のために使い続けてきたスキンクリームで、あるときからかゆみが出るように。もちろんすぐに使用を中止、他のクリームに変えました。
すこしでも肌にかゆみや赤みなどの異常を感じたら、もったいないと思わずにすぐに使用を中止、もし症状が改善しなければ、はやめに専門クリニックで診てもらいましょう。
服装などの紫外線対策はルーティンですが、スキンケアは、年齢とともに変わる肌質と相談しながら、自分に合うアイテムを見つけてください。
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