難消化性デキストリンは、トウモロコシから作られる食物繊維の一種です。
食物繊維は体内に消化吸収されないので、かつては栄養的に価値がないとされてきましたが、いまでは「第六の栄養素」とまで呼ばれ、その働きが注目されています。
とくに難消化性デキストリンは、その85~95%が食物繊維なので、その期待も大きいのは当然かもしれません。
難消化性デキストリンを配合する機能性表示食品が増えていますが、「健康食品」で訴求しているのはつぎのような効果です。
- 食後の血糖値の上昇を抑える
- 食後の中性脂肪の上昇を抑える
- おなかの調子を整える
おなじ難消化性デキストリンを配合していても、表示されている機能に違いがあるのは、消費者庁への届け出たときの機能性表示によるもの。
つまり、”食後の血糖値の上昇を抑える”機能だけに訴求している商品は、他の機能について届出をしていないだけであり、難消化性デキストリンそのものの働きに違いがあるわけではありません。
日本人の食生活では食物繊維が足りない!難消化性デキストリンの効果
食物繊維は、野菜、果物、きのこ、海藻なぢ、多くの食品に含まれていますから、バランスの良い食生活であれば不足することはありません。
しかし日本人の食物繊維の平均摂取量は、一日あたり14g前後。
厚生労働省によれば、食物繊維の1日あたり目標摂取量は、〔18~64歳〕男性:21g以上、女性:18g以上ですから、実際の摂取量がかなり不足していることがわかります。
ちなみに、野菜類を1日に350g以上摂ることが推奨されていますが、肉食にかたよっている方も多いですね。
青汁を飲んでいるから大丈夫、は間違い。青汁はあくまで不足しがちな栄養素(食物繊維)を補うもの。
90mL、100mLの絞り汁が、350g以上の野菜の代わりをするとは思えません。まして絞りかすを捨ててしまった青なら、大切な食物繊維のほとんどを捨ててしまうことに。
難消化性デキストリンを追加した【機能性表示食品】青汁が、次からつぎへと発売になっているのは、現代人の食物繊維の摂取不足が背景にあるようです。
難消化性デキストリンは食物繊維の優等生!
食物繊維は、野菜、果物、きのこ、海藻などの食品にも多く含まれていますが、難消化性デキストリンに含まれる食物繊維は、なんと85~95%もあり、トウモロコシでん粉からつくられています。
キャベツ、セロリ、ブロッコリーなど、一般的な野菜に含まれる食物繊維は、2~4%前後。
青汁の原料としてよく使われる「ケール」が、3.7%。青汁のなかでも食物繊維の量が突出している「桑の葉」でも、35~40%前後。
もちろん、青汁として加工するときに、絞りかすが捨てられてしまうと、食物繊維の量はおおきく減少することになります。
そう考えると、難消化性デキストリンは、食物繊維として健康への機能を考えたときに、とても優れた栄養成分であることがわかります。
難消化性デキストリンは消化吸収されにくいから役に立つ
食品として摂取された難消化性デキストリンは、ほとんどが体内吸収されることなく大腸に達します。食物繊維が、かつては栄養的に価値が無いとされてきたのと同じように。
小腸では、5~10%がグルコースとして吸収され、50%が大腸でビフィズス菌など、善玉菌のエサになります。そして、残りの40%が便となって排出されるわけです。
これにより、難消化性デキストリンを炭水化物の多い食事と一緒に摂ることで、糖分の吸収がゆるやかになり食後の血糖値の上昇が抑えられることになります。
カロリー的にも、脂肪1g:9kcal、食物繊維1g:2kcal、難消化性デキストリン1g:1kcal(※)ですから、カロリー計算のときに食物繊維を無視する方もいるようです。もちろん、難消化性デキストリンも0kcal?
難消化性デキストリンの副作用は?
どんな栄養成分でも、摂りすぎないほうが良いのは、難消化性デキストリンも同じ。でも重大な健康被害があるというわけではないようです。
食物繊維の摂り過ぎでよく言われるのは、つぎのような体調の変化です。
- おなかがゆるくなる
- お腹がふくらんだような感じ
- おならが増えた
いずれも、食物繊維が消化されにくく、腸内細菌のエサとなって発酵する、などによる現象。
難消化性デキストリンを高配合した【機能性表示食品】は、糖分の吸収を抑えられるとはいえ、体調と相談しながら摂るとよいでしょう。
難消化性デキストリンの原料はトウモロコシですから、安全性はきわめて高いと考えられます。
しかし、糖分の吸収を抑える、カロリーが少ない、脂肪と似たテクスチャー、などの特性から、ダイエット食品、お菓子、ジュースなど、さまざまな食品に使われます。
その結果、想定していたより多くの食物繊維(難消化性デキストリンを含めて)を摂取することになる可能性があることは知っておいたほうがいいでしょう。
難消化性デキストリン配合「青汁」の飲み方
難消化性デキストリンを配合した青汁が増えていますが、単にそのまま飲むだけでは、せっかくの難消化性デキストリンの効果を活かすことができません。
食事といっしょに摂ることで、糖の吸収を穏やかにして、食後の血糖値を抑えることができます。
こちらが、【機能性表示食品】匠の糖煎坊の飲み方です。
「匠の糖煎坊」は、抹茶風味の青汁(粉末タイプ)で、50mLぐらいのお湯に溶かして飲みますが、食事とともに飲むのがポイント!
難消化性デキストリンを配合したものは、食事といっしょに摂らなければ、その効果が得られません。
まとめ
難消化性デキストリンは、食物繊維の一種で体内に消化吸収されにくく、腸内フローラの善玉菌のエサにもなり、つぎのような効果が期待されています。
- 食後の血糖値の上昇を抑える
- 食後の中性脂肪の上昇を抑える
- おなかの調子を整える
最近注目されている青汁にも、難消化性デキストリンを加えた健康食品が発売されています。
青汁は、原料そのものに栄養成分がたくさんあっても、絞ったり加工する段階でその栄養素が減少してしまいます。絞りかすに多く含まれる食物繊維が、その代表的な栄養成分。
そのため、難消化性デキストリンを追加した健康食品の青汁は、血糖値を抑えたい方、糖質を吸収させたくない方にとってうれしいサプリです。
ただし、摂り過ぎないほうが良いのは、他のサプリなどと同じ。あくまで、バランスの良い食事を心がけるのが、基本です。
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