不眠の状態が続くと、倦怠感や集中力の低下によって、日常生活や仕事にも影響が出るようになりますが、不眠症が慢性化すれば回復するのがむずかしくなるようです。
精神的なストレスがおもな原因の一つと考えられていますが、高血圧や心疾患などの病気、足のムズムズ、肌のかゆみ、さらに生活習慣なども不眠の原因に。
心身の病気は不眠の原因になりますが、不眠がさらに病気を悪化させることも。
不眠の原因となる病気にかからず、つねに体調をととのえておくのが一番ですが、病気や体質は、人によって遺伝的なリスクや傾向に違いがあります。
つまりおなじ不眠症の原因への対策が、他人とおなじように効果があるとは限らないわけです。
最近の遺伝子検査キットでは、がん、一般疾患、体質など400項目もの病気や体質について、リスクや傾向値を簡単に知ることができるものがあります。
睡眠と関連がある病気や体質などの遺伝子情報をじょうずに活用することで、良質な睡眠へのヒントが見つかるかもしれません。
不眠の原因
厚労省のHPでは、大部分の不眠症にはそれぞれ原因があり、対処法が異なるとしています。そのうえで、つぎのような睡眠障害(不眠や過眠)には専門施設での検査と診断をすすめています。
- 睡眠時無呼吸症候群
※閉塞性睡眠時無呼吸 - レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)
- 周期性四肢運動障害
- うつ病
これらの睡眠障害については、不眠症と区別していますが、不眠の原因であることには変わりません。
カラダの病気による不眠
つぎにあげるカラダの病気は、()内の症状が睡眠をさまたげる原因になります。
- 高血圧や心臓病(胸苦しさ)
※心不全 - 脳出血や脳梗塞
- 呼吸器疾患(咳・発作)
- 腎臓病
- 前立腺肥大(頻尿)
- 糖尿病
- 関節リウマチ(痛み)
- アレルギー疾患(かゆみ)
アレルギー疾患は、睡眠中に突然襲うかゆみの原因ですが、衣類などの刺激が睡眠のさまたげになることも。
400項目の遺伝子検査キット(chatGENE)では、かぶれやすさ(刺激物感受性)について調べることができます。
こころの病気による不眠
こころの病気は不眠の原因になりますが、不眠症だと思っていたら、うつ病だということも。
遺伝子検査キット(chatGENE)では、うつ病の遺伝的傾向を調べることができるだけでなく、ストレスの感じやすさ、ストレスによる肥満、さらには心配性などの性格についても調べることができます。
薬や刺激物(アルコール・タバコなどの嗜好品)による不眠
降圧剤や抗がん剤などが、睡眠を妨げることがあるようです。また、かゆみ止めとして処方される抗ヒスタミン薬は、日中の眠気の原因になります。
カフェインやニコチンには覚醒作用があり、アルコールも夜中に目覚める原因になりますが、これらの嗜好品についても遺伝的な傾向があります。
遺伝子検査キット(chatGENE)では、嗜好品についてつぎのような項目を調べることができます。
- アルコールについて
・お酒の強さ(酒豪遺伝子)、二日酔い、アルコール消費量、アルコール依存症、ワインの好み、アルコールとニコチンの共依存 - ニコチンについて
・ニコチン代謝、ニコチン依存性 - カフェインについて
・カフェイン代謝、カフェイン摂取習慣、紅茶の消費量
日本人の場合、体質的に、アルコールによって産生されるアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱い、あるいは欠けている人が多いと言われています。若いときは、多少の無理もききますが・・・。
睡眠を改善するための栄養素
いわゆる睡眠サプリは、睡眠の質を向上させるために、おもに心身をリラックスさせる機能性成分が配合されているサプリメントです。
睡眠サプリに配合される機能性成分には、つぎのようなものがありますが、『chatGENE 』の公式サイトによれば、ビタミン類などの栄養素の体質的な吸収しやすさは、人によっても違うようです。
- L-テアニン
- GABA
- トリプトファン など
トリプトファンは、脳に運ばれ神経伝達物質のセロトニンの原料になるので、不眠解消の効果がありますが、長期間摂取すると副作用のリスクが高くなるようです。
睡眠の質を向上させる成分は、他にもルテイン、サフラン由来クロシン、ラフマン由来ヒペロシドなどがあります。これらの成分を配合した睡眠サプリの多くは、副作用の心配をせずに飲み続けることができるのが、睡眠薬にはないメリットと言えるでしょう。
生活リズムの乱れによる不眠
生活リズムの乱れは不眠の原因になりますが、交替制勤務や時差など、現役世代は生活リズムが不規則になりがち。
良質な睡眠をとるためには、かなり意識的して生活リズムをととのえる環境をつくる必要があるかもしれません。きまった時間に就寝・起床がむずかしければ、つぎのような項目をためしてみてください。
- 就寝前にスマホ・PCを見ない
- 寝酒をしない!
- 就寝前はリラックスタイムを!
- パジャマなどの寝具は身体に合ったもの
- 照明を暗くして寝室の環境をととのえる
- 朝起きたら日光を浴びる
- 日中に眠いときは30分以内の昼寝をする
ここで挙げた項目は、忙しい方でも、今日からでもできることばかり。とくに身体に合わない寝具(とくにパジャマや下着)は、痒みなどの原因になりますから、肌にチクチクするなどの刺激があるようなら新調しましょう。
睡眠の遺伝的体質について・努力してもショートスリーパーにはなれない?
睡眠にも、遺伝的な体質があるようです。
400項目の遺伝子検査ができるchatGENEでは、睡眠に関するつぎのような項目を調べることができます。
- 睡眠の質
- 睡眠の深さ
- ロングスリーパー・ショートスリーパー
- 朝型人間・夜型人間
- 睡眠不足と判断力
- 睡眠時の歯ぎしり
- いびきの可能性
ショートスリーパーとは、6時間未満の短時間の睡眠でも日常生活に支障がでない体質の方のことです。時間を惜しんで仕事をしている方にとっては理想的な習慣のようですが、遺伝的な傾向があるとすれば、努力してもムダ?
良質な睡眠のためには、自分の遺伝的特性を知ったうえで、無理のない改善方法を探ったほうがよさそうです。
まとめ
睡眠は、疲れたり傷ついたこころや身体をリフレッシュさせるための良薬です。
生活リズムや栄養素のバランスがよければ、睡眠の質も上がるはずですが、不規則な生活やストレスが多い現代人にとっては、決まった時間に就寝・起床することもなかなか難しいのが実状。
自分の遺伝的特性を知ったうえで、足りない栄養素をサプリメントでおぎなったり、遺伝子の解析結果からのアドバイスを参考にして、効果的で無理のない睡眠のための改善策を検討してみると良いかもしれません。
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