スギ花粉がそろそろ終わりに・・・と思っていたら、黄砂が襲来。ただの黄色い砂とばかり思っていましたが、健康面や生活環境への影響では花粉以上に厄介なようです。
黄砂は、中国の奥地のゴビ砂漠などの砂が数千メートルの高度まで巻き上げられ、偏西風に乗って日本まで運ばれてきます。
気象衛星画像でもその色がはっきりわかる黄砂は、とても微細な粒子で、車のボディに付着したまま放置すると、洗車機にかけてもなかなか落ちなくなってしまいます。
一度の洗車では黄砂が落ちず、洗車機に2回かけたという方も多いようです。
車なら洗車するだけで元通りになりますが、健康面では、花粉症やぜんそくが悪化する原因になるとのことですから、外出時はマスクなどでしっかり対策をとる必要がありそうです。
黄砂の正体は?
黄砂は、中国内陸部のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠、黄土高原など、乾燥した地域の土壌や鉱物粒子が、高度7~8kmまで巻き上げられ、偏西風に乗って日本に飛来したものだそうです。
黄砂の量が多いときは、黄色く靄(もや)がかかったようになり、遠くの山が霞みます。
中国・北京のニュース映像では、空全体が強風で巻き上げられた校庭や畑の土で覆われたような状態になりますから、生活環境や健康への影響はかなり大きいはずです。
黄砂の大きさは 1~30㎛(マイクロメートル)で、直径4㎛(マイクロメートル)前後が多いようです。スギやヒノキ花粉は直径30~40㎛、髪の毛の太さが50~100㎛ですから、黄砂はかなり細かな粒子。すき間に入りこんだら、簡単に落ちそうにありません。
黄砂には、石英、長石、雲母、カオリナイト、緑泥石などの粘土鉱物など。砂漠由来の鉱物以外にも、アンモニウムイオン、硫酸イオン、硝酸イオンなどが検出されることから、日本へ運ばれる途中で、大気汚染物質を取り込んでいる可ようです。
黄砂で花粉症が重症化する?
最近のニュースによれば、医療の現場では、黄砂が多いときには花粉症の症状が悪化することが知られているとのこと。花粉症やぜんそくなどのアレルギー症状を悪化させるおそれがあるようです。
花粉症が悪化するのは、どうやら黄砂によって花粉が”爆発”することが原因と言われています。
また、黄砂の粒子そのものが目や鼻の粘膜を傷つけるだけでなく、黄砂と一緒に飛んでくる細菌やカビなどによって免疫反応が悪化し、炎症やアレルギー症状がよりひどくなると考えられるとのこと。
私自身、スギ花粉が終わりそうな時期なのに、就寝中「目のかゆみがひどくなる」ことがありますが、どうやらスギ花粉×黄砂の相乗効果?が原因かもしれません。
黄砂とPM2.5の違いは?
PM2.5((微小粒子状物質)は、肺の奥深くまで入りやすく、呼吸器系への影響に加え、循環器系への影響が心配される大気中の汚染物質です。
PM2.5は、2.5㎛以下の大きさのもので、その成分は、炭素、硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム、塩ケイ素、アルミニウム、ナトリウム、など。
これらの物質のおもな発生源は、工場や焼却炉などからのばい煙、自動車や船舶、航空機などからの排気物質ですが、日本へ来る黄砂には、これらの物質が混じっているようです。
4㎛程度が多い黄砂ですが、2.5㎛以下の黄砂は、このPM2.5に含まれますから、健康被害は同じと考えたほうがいいようです。
「黄砂情報」と「PM2.5の濃度」を知る
黄砂情報は、「日本域」と「アジア域」について、現在時刻から明日までは3時間ごと、さらに3日後までは6時間ごとの予測を、気象庁「黄砂情報」から確認することができます。
「PM2.5まとめ」は、日本全国のPM2.5の現在値や予報をチェックできるWebサービスです。環境省の大気汚染物質広域監視システム「そらまめくん」のデータを元につくられた個人の運営サイトですが、濃度の数値を知ることができ、見やすくとても便利です。
日本気象協会のHPでも、PM2.5の濃度分布傾向(全国)を知ることができますが、濃度を数値では確認できません。
黄砂・PM2.5の測定器
黄砂やPM2.5は、屋外だけでなく、ドアや窓の開閉などによって、室内にも持ち込まれます。PM2.5計測器を使ってみると、室内でもPM2.5の濃度が意外と高いことがわかります。
公共施設や教育施設などでは、PM2.5測定器を備えつけているところが増えていますが、一般家庭ではまだ少ないようです。
PM2.5測定器といっても、PM2.5だけでなく、ホルムアルデヒドや二酸化炭素などの大気汚染物質の濃度を計測できるものもあります。
黄砂や花粉、PM2.5が多くなる時期に、体調が悪くなったり、アレルギー症状がひどくなる方は、PM2.5計測器で室内環境をチェックしてみるとよいでしょう。
使いやすくてお手頃な価格のPM2.5測定器を、2機種紹介しておきます。価格は、1~3万円前後です。
◎TVOC CHE-PM25 サンワサプライ
◎Temtop M2000大気質モニター
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