MCI、あまり耳慣れない言葉ですが、一言でいえば”認知症の一歩手前の症状”のこと。
認知症というと拒絶反応が起きそうですが、年齢とともにある程度覚悟しておかなければならない症状の一つです。
肝臓や腎臓などの臓器の機能が衰えていくのに、脳だけ元気! なんて期待はできません。すべての臓器が、年齢とともに機能低下することに例外はありません。
ただ最新の研究では、衰えを自覚することで、予防あるいは進度を遅らせることができるようですから、早期発見・早期予防がとても重要になります。
MCIは認知症になる前の初期段階
MCIとは、Mild Cognitive Impairment の頭文字を取ったもので、「軽度認知障害」のことです。認知症とまではいえないけれども、多少障害が出ている状況です。
本人はもちろんですが周囲の人や家族でも、普段の生活ではその変化に気付きにくいため、予防などが遅れがち。結果的に、”認知症”と診断されるまで放置されることが多いようです。
高齢者の4人に1人が認知症またはMCI(軽度認知障害)!?
ある情報によれば、高齢者の4人に1人が認知症またはMCI(軽度認知障害)と言われています。別の集計では、6人に1人とも。
どちらにしても、はっきりしていることは、高齢になれば認知症やMCIになる可能性がアップするということです。
やっかいなのは、だれしも脳の衰えを認めたがらない事。他人については、”〇〇さん、ちょっとおかしいんじゃない? 認知症かも・・・” なんて、お茶を飲みながら話題にすることがあると思いますが、自分自身は大丈夫?
認知症になると元へ戻らない?
認知症の原因にはいくつかあり、投薬による治療も効果があるようですが、現状を維持するあるいは進行を遅らせるための薬と考えたほうがいいようです。
根本的に改善する治療薬はまだないのが現状!
実際の治療にあたっては、脳の機能を回復するトレーニングや生活でのリハビリなどを併せておこないます。
特に、趣味や音楽などは眠っていた脳細胞が刺激し、昔の記憶がよみがえらせてくれますから、これこそ脳の機能を復活させる妙薬と考えていいのではないでしょうか。
MCIの兆候がわかれば認知症予防になるけど・・・
MCI(軽度認知障害)の段階での予防といっても、どんな症状がMCIなのかとてもわかりにくいのが実情です。
”記憶障害”と言われても、”漢字を忘れた” ”人の名前が出てこない” ”昨日のランチを思いだせない” ”つい最近観た映画のタイトルなんだった?” なんてことはよくある話で、これもMCI(軽度認知障害)?
大事なポイントは、MCIにでも認知症にしない人が2~3割もいて、むしろ回復するという報告もあるということ!
MCIの定義
日本精神神経学会では、MCI(軽度認知障害)について次のように定義しています。※第104回日本精神神経学会総会シンポジウムから引用
<MCIの定義>
認知機能の低下に関する訴えがきかれ、認知機能は年齢相応より低下するが認知症には到らず、基本的な日常生活には支障がない状態
ちょっと難しいですが、簡単にいえば、もの忘れなどがあるけれども日常生活は普通にできる状態、と言ったところでしょうか。
専門家の間でも、臨床場面での判断に迷うぐらいですから、だいたいの感じをつかんでいればいいと思います。回復する可能性があるということを、頭に入れておいてください。
MCIの兆しはどうやってわかる?
医学的には、問診や家族からの聴取のほかに、身体や精神的な検査、さらには脳波検査などをおこなって診断するようですが、一番大事なのはやはり日常の言動でその兆しを見逃さないことでしょう。
その兆候をスルーしてしまうと、せっかくの回復するチャンスを逃がすことになります。
日常生活の変化でわかるMCIの兆候は?
- 服装や髪型を気にしなくなる
- 外出しなくなる
- 家へ帰る方向がわからなくなる
- 水道を出しっぱなしにする
- 鍋を空焚きすることがある
- 凝った料理が作れない
- 最近の大きなニュースの踏み込んだ内容がわからない
- 最近観た映画のストーリーを思いだせない
- 人の名前を思いださない
- 何度も同じ質問をする
- 置忘れやしまい忘れが増える
高齢になると、日常の生活習慣が面倒になったり、ちょっとした簡単な暗算ができないことがありますが、それもMCIの兆候かもしれません。
MCI(軽度認知障害)の予防法は?
MCIの予防が、認知症への進行を防ぎ脳の機能を回復することになりますが、具体的にはどうしたらいいのでしょう。
一般的には、日常の生活習慣において、次のようなことを心がけることが有効と言われています。
バランスがとれた食生活
肉よりも魚、さらに野菜や果物を多く摂るように心がけること。そして、高齢者が注意しなければいけないのは、塩分の摂り過ぎですね。
睡眠と規則正しい生活
睡眠不足は、年齢にかかわらず体調をくずす原因になります。規則正しい生活によって、心身のバランスが保たれます。
知的な趣味を持つ
頭を使う趣味を持つことは、脳の老化予防に最適です。たとえば、囲碁や将棋。特におすすめしたいのは、麻雀!麻雀は、大勢でワイワイガヤガヤと、楽しくおしゃべりしながら楽しめるので、コミュニケーションにも役立ちます。
麻雀や囲碁・将棋をやっていて、ボケる人はあまりいません。指先を使うのも良い効果につながっているようです。
人とのコミュニケーション
人との会話はとても重要です。一人で家に閉じこもるようになると、人との会話が減り、一気に老け込みます。
地域のサークル活動は、脳への刺激になると同時に身体を動かすキッカケになりますから、コミュニケションの場としても最適です。気分転換にもなりますから、無理せず週1~2回のペースで参加できるようなプログラムを選ぶといいでしょう。
適度な運動
なんといっても、適度な運動は欠かせません。全身の血流や血行の改善になると同時に、脳の活性化が期待できます。
MCIの可能性を数値データなどで伝えたい
MCIの兆しはさまざまな形であらわれますが、普段から一緒に生活していると、なかなか変化に気付きません。
また家族が気付いたとしても、本人としては普通だと思いたいし、認めたくないという気持ちが強いですね。そうなると、MCIの症状を改善するケア法があったとしても、なかなか実行に移すことができません。
家族としても、”認知症” とか ”MCI(軽度認知障害)” について、具体的な話を切り出すタイミング、難しいですね。
認知症やMCIを視覚化できる機器
しかし、客観的に数値データなどで、MCIの兆候が判断できれば状況は変わります。血圧や心拍数と同じように、納得せざるをえませんね。
見守りプラス認知「アイシル」は、認知症の早期発見を助ける機器ですが、MCIの段階でも十分にその機能を生かすことができます。
MCIの可能性について、データを視覚化して説明することができますから余計な説明をしなくても理解してくれるはず。一度、チェックしておくことをおすすめします。
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