オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)が大切な栄養素であることはわかっていても、脳の萎縮とも関係があるようですから、その働きにあらためて驚かされます。
オメガ3脂肪酸の代表的な成分としては、つぎの3つが良く知られています。
- α-リノレン酸
- DHA(ドコサヘキサエン酸)
- EPA(エイコサペンタエン酸)
DHA・EPAなどのオメガ3脂肪酸は、n-3系脂肪酸とも呼ばれますが、脂質の分類では、下図のようになっています。
脳の神経細胞は毎日10万個づつ失われている
HNK「あさイチ」2020.1.08の特集によれば、オメガ3脂肪酸が不足すると、脳が萎縮するとのこと。
脳の萎縮は、30代ぐらいから少しづつ始まり、65歳ぐらいになると肉眼でもわかるようになるそうです。
脳の神経細胞の数には、諸説あり、数百億~1千億を超えるともいわれます。私が信じているのは、理化学研究所の公表数字で、その数なんと1千数百億!
能の神経細胞は、毎日10万個づつ失われていきますから、気持的にはできるだけ大きい数字を支持したいのが本音。
ところで、HNK「あさイチ」によれば、脳の成分は、水分を除けば、なんと10%がオメガ3!
体内ではつくれないオメガ3脂肪酸
ヒトの体に必要なオメガ3脂肪酸ですが、体内でつくり出すことができませんから、外部から摂取するしかありません。
オメガ3脂肪酸の不足は、脳の萎縮がだけではなく、「産後うつ」とも関係があるので、妊娠中や出産期の女性は要注意!
とくに妊娠中や出産期の女性は、赤ちゃんへの栄養補給のために、母体からオメガ3脂肪酸が移動しますから、母体のオメガ3脂肪酸が不足しがちになります。
人の体に必要なオメガ3脂肪酸
代表的なオメガ3系脂肪酸の一つが「α-リノレン酸」で、人の体ではつくることができない必須脂肪酸です。
α-リノレン酸は、体内に入ってから代謝され、一部がEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)になります。
これらのオメガ3系脂肪酸が欠乏すると、皮膚炎などを発症するため、厚生労働省では目安量を設定しています。
オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)の摂取目安量
日本人の食事摂取基準(2020年)によれば、オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)の摂取目安量は、以下のようになっています。
性別 | 年齢 | n-3系脂肪酸(g/日) |
男性 | 18-29歳 | 2.0 g |
30-49歳 | ||
50-64歳 | 2.2 g | |
65-74歳 | ||
75歳以上 | 2.1 g |
性別 | 年齢 | n-3系脂肪酸(g/日) | ||
女性 | 18-29歳 | 1.6 g | 妊婦 1.6 g | 授乳婦 1.8 g |
30-49歳 | ||||
50-64歳 | 1.9 g | |||
65-74歳 | 2.0 g | |||
75歳以上 | 1.8 g |
妊婦さんは、胎児の器官を生成のために、より多くのオメガ3脂肪酸の摂取が必要とされています。また授乳中の女性も、オメガ3脂肪酸を十分に含む母乳を分泌できる量を摂る必要があります。
オメガ3脂肪酸の豊富な食品
HNK「あさイチ」で紹介された食品から、オメガ3脂肪酸の100g当り含有量を一部抜粋しましたので、参考にしてください。
しそ油 | 60,000mg |
エゴマ油 | 58,310mg |
アマニア油 | 56,630mg |
くるみ | 8,960mg |
あん肝 | 7,680mg |
いくら | 4,700mg |
サンマ | 3,780mg |
サバ | 2,120mg |
イワシ | 2,100mg |
オメガ6脂肪酸も必須脂肪酸だけど・・・
オメガ6脂肪酸は、牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵、マヨネーズ、大豆油、コーン油、ごま油などに含まれています。
オメガ3脂肪酸とおなじように必須脂肪酸で、血液を固めて止血する働きがありますが、過剰摂取すると動脈硬化の原因に。
厚生労働省の指標では、オメガ6脂肪酸の目安量は、男性の場合、18-29歳7〜11g、30-64歳10g、65-74歳9g、女性の場合、18-74歳8g、妊婦9g、乳婦10gなどとなっています。しかしオメガ6脂肪酸は、通常の食事から十分摂取できるので、むしろ摂り過ぎに注意したほうがいいかもしれません。
オメガ3脂肪酸をサプリメントで摂るのは?
オメガ3脂肪酸を摂ることが推奨される理由は、普段の食生活ではなかなか十分に摂れないから。
HNK「あさイチ」で、解説してくれた大学教授によれば、サプリメントで摂ることも効果的とのこと。
実際に、オメガ3脂肪酸を2週間ぐらい摂ることで、肌の調子に変化があらわれるようです。
冷え性や乾燥肌で悩んでいる方は、オメガ3脂肪酸(DHA&EPA)を配合したサプリメントを試してみると良いかもしれません。
コメント