不眠が続くと、仕事だけでなく日常生活にも支障がでるようになります。
生活習慣や睡眠環境の見直しが最優先ですが、それでも不眠が改善しなければ、睡眠薬を飲んでみようかな・・と。そのときに頭をよぎるのが、依存症などへの不安。
睡眠薬の副作用などについて、はっきり分からないまま、使うことに戸惑いを感じている方が多いようです。
そもそも、睡眠薬が必要となるような不眠症とは、どのような状態をいうのでしょうか。厚生労働省のHPでは、不眠症の診断について、つぎのように説明しています。
そもそも、なかなか眠れない日が数週間続いた程度では、睡眠薬は必要ないということでしょう。
睡眠薬の「副作用」
睡眠薬を飲んだ後、日常生活や仕事に影響をあたえる副作用には、つぎのような項目があげられます。
- 注意力、集中力が低下する
- 眠くなる
- ふらつきや転倒しやすくなる
- 頭痛がする
- 倦怠感、脱力感がある
服用直後や服用してから1〜2時間は、ふらついたり転倒しやすくなります。また、睡眠薬をのんだ後、すぐに寝ないで他のことをしていると、翌朝そのことを思い出せないこともあるようです。
翌朝も薬が体内に残っていれば、眠気が取れない、日中の作業能率が低下するなどの副作用も考えられます。
しかし、最近の睡眠薬は以前のものより安全性が高くなっていますから、医師の指示通り正しく服用すれば、副作用の心配はほとんどないと考えていいようです。
睡眠薬の「依存症」
睡眠薬の副作用として、もっとも不安を感じるのが「依存症(いぞんしょう)」ではないでしょうか。
依存症とは、同じ薬物を使い続けることで、その薬物の使用を抑えることができなくなり、継続的、あるいは周期的に使用する状態をいいます。
以前つかわれていたバルビツール酸系睡眠薬は依存しやすいという問題がありましたが、現在多くつかわれているのは、ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。
これまで病院で多く処方される睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系睡眠薬、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬が主なものでしたが依存性があることが問題視されてきました。
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬について
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系睡眠薬とくらべ、依存性や副作用が軽減されており、筋肉を緩めるような作用が少ないので、ふらつきや転倒の危険性が少ないようです。
ただし、作用時間などの調整がきかない超短時間作用型しかなく、急に眠りにはいるような効き方ですから、飲んだ後の行動が記憶から飛んでしまう「健忘(けんぼう)」という副作用が出やすいので注意が必要です。
依存性が少なく副作用も少ない非ベンゾジアゼピン系睡眠薬ですが、効果がマイルドのため、頑固な不眠症には効果がみられないとの意見もあります。
◎ 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
※現在は、以下の3種類だけのようです。
一般名 | 商品名 |
ゾピクロン | アモバン |
エスゾピクロン | ルネスタ |
ゾルピデム | マイスリー |
これら3種類は、基本的には入眠障害に使う薬ですが、アモバンやルネスタは作用時間が比較的長いので、中途覚醒にも比較的効果があるようです。
マイスリーは作用時間が短く、カラダから早く抜けるため翌日に眠気が残りにくく、切れ味のよさから依存しやくなる要素もあるとの説明もあります。
睡眠薬が効かないと感じたら
睡眠薬が効かないと感じたら、不眠の原因が他にあるのかもしれません。
- うつ病
- 頻尿
- 睡眠時無呼吸症候群
- レストレスレッグス症候群
- 他の薬の副作用 など
また、不定期な使い方をしていると、薬が効いているのかどうかわからなくなることもあるようです。
睡眠薬にたよらずに安眠できるようになるためには、毎日きちんと飲んで不眠を改善し、徐々に睡眠薬を減らしていくのが薬離れの近道とのこと。
まとめ
睡眠薬は、以前とくらべるとかなり安心して使えるようになりました。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬については、依存症が問題視されているようですが、医師の指示にもとづいて飲む量を段階的に減らしていき、不眠症が治ったケースもあります。
睡眠薬には多くの種類があり、強さや作用時間が異なるだけでなく、副作用や依存性にも違いがあります。
マイスリーのように、作用時間が短くカラダから早く抜けると、副作用を感じにくく朝眠けが残らないため、逆に依存しやくなってしまうようです。
逆に、睡眠薬を医師の指示にもとづいて正しく使えば、副作用や依存症を心配することなく不眠症が治る可能性があるということです。
不眠症と診断されるほどの症状でなければ、まずは生活習慣を見なおしながら、睡眠系のサプリメントを試してみると良いかもしれません。
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