更年期になると、めまい、冷え、腰痛、しびれ、倦怠感など、自律神経失調症に似たような症状があらわれることがわかっています。
自律神経失調症は、自律神経のバランスがくずれることによって起こりますが、更年期におけるホルモンの乱れ（更年期障害）も原因の一つ。
更年期症状がおきるメカニズムは、自律神経の働きとも関係があるようです。そのメカニズムを知れば、症状をやわらげる方法がみえてきそうです。
「更年期症状」は「自律神経失調症」となぜ似ている？
「更年期症状」は、おもに女性ホルモン・エストロゲン（卵胞ホルモン）」の分泌が急激に減少することで起こります。
「自律神経失調症」の症状とまったく同じではありませんが、それぞれの症状をチェックしておきます。
メディカルノートや厚生労働省のHPでは、「更年期症状」と「自律神経失調症」について、つぎのような症状を挙げています。
◎ 更年期症状
のぼせ、めまい、頭痛、ほてり（いわゆるホットフラッシュ）、全身倦怠感（けんたいかん）、不眠、気持ちの落ち込み、不安・憂鬱、腰痛、関節・筋肉痛、冷え、しびれ、疲れやすさ、湿疹、かゆみ、排尿障害、頻尿など
◎ 自律神経失調症
疲労感、熱っぽい感じ、手足のしびれ、動悸、息切れ、めまい、頭痛、不眠、寝汗、食欲不振、胃痛、吐き気、肩こり、背中の痛み、腰痛、腹痛、下痢、便秘、冷えなど
更年期症状の原因は、女性ホルモンだけでなく精神的ストレスなども関係しますから、結果的に、自律神経の不調による症状と更年期症状が重なるようです。
「女性ホルモン」の分泌と「自律神経」との関係
女性ホルモンには、エストロゲン（卵胞ホルモン）とプロゲステロン（黄体ホルモン）の2種類があり、エストロゲンの急激な減少が、更年期症状の原因になります。
女性ホルモン・エストロゲンは、卵巣から勝手に分泌されているわけではありません。
まず脳の視床下部から出るホルモンが脳下垂体を刺激し、さらに脳下垂体から出るホルモンが卵巣を刺激することで、女性ホルモン・エストロゲンが分泌されます。
しかし、更年期になって卵巣のはたらきが衰えてくると、脳から女性ホルモンを出すよう指令がきても、卵巣はその指令に応えることができなくなります。
視床下部には、血流や血圧、発汗や体温などに関わる自律神経や内分泌系、免疫系、感情などをコントロールする働きがあります。つまり、視床下部は、女性ホルモンの分泌だけでなく、体調をコントロールするための重要なはたらきをしているのです。
更年期になって、卵巣が視床下部からの指令に応えることができなくなると、脳が混乱し、同じ視床下部でコントロールされている自律神経などのバランスも乱れてしまうようです。
女性ホルモンの分泌と自律神経は、どちらも脳の同じ中枢器官によってコントロールされているため、更年期に自律神経失調症状が出やすくなるわけです。
更年期症状を和らげるための対策
更年期症状は、女性ホルモンの減少以外にも、栄養バランスや心理的なストレスなど、さまざまな要因が絡みあい、それぞれ違った症状となってあらわれます。
更年期症状の原因は、人によってそれぞれ違いますから、医学的には各人に合った医療が必要です。
しかし、食事によって栄養バランスをとり、生活習慣を見なおすことでストレスを減らすなど、更年期症状をやわらげるために役立つ対策はいろいろあるようです。
女性ホルモン似たはたらきの栄養素「エクオール」
大豆イソフラボンには、女性ホルモンに似た働きがあることが知られていますが、その効果は、腸内で「エクオール」に変換されることで、強いエストロゲン活性がうまれるようです。
しかし、日本人の場合、腸内細菌によってエクオールへ代謝することができるのは僅かに50%、若い世代では、約20～30％の人しかエクオール産生能がないようです。
女性ホルモン・エストロゲンに似た効果を期待するためには、大豆イソフラボンよりも、エクオールをサプリメントで摂るほうが、効率的といえるでしょう。
「適度な運動」と「睡眠」によるストレス軽減
肉体的ストレスや精神的ストレスが溜まると、女性ホルモンが減少する原因になると言われています。
更年期には、仕事の忙しさや家庭環境の変化から、運動不足になり、精神的ストレスも溜まりがち。ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの軽い運動を、意識的におこなうよう心がけましょう。
また、良質の睡眠は、食事による栄養バランスとともに、心身のストレスを解消し、健康維持のために欠かせません。
”早く眠りたい”と思えば思うほど頭が冴えてきて、ますます眠ることができなくなることがありますが、無理に眠ろうとしなくても、横になるだけでも身体的には疲労回復になります。
まずは眠る体勢になるだけでも大きなメリットがあることは、大谷翔平選手の12時間睡眠が好例です。
もともと十分な睡眠時間がとれないときは、睡眠環境をととのえたうえで、さらにサプリメントを試してみるのも一つの方法です。
冷えを和らげるための「温浴」
更年期症状のなかで、よくみられる症状の一つに ”冷え” があります。
慢性的な冷えが続くと、免疫力が下がるため、風邪をひきやすくなったり、便秘や肌あれ、むくみなど、さまざまな健康トラブルの原因になります。
冷え対策には、体を温める食べ物をとるようにし、適度な運動で血流を良くするのが効果的ですが、さらにためしたいのが「温浴」です。
温浴にはさまざまな流儀があるようですが、”冷え”対策としては、熱すぎないお湯（39～42℃）に10～15分ていど浸かるのが効果的と言われます。個人的には、44℃ぐらいの熱めが好きですが・・・。
温浴のメリットは、体が温まることで、血流の改善された状態が長続きすること。
最近話題になっているマイクロバブルのバスユニットなら、微細な泡が皮膚の汚れを取り除き、毛穴のなかから汚れをかき出してくれますから、面倒な体洗いを省くことができ、温浴効果と合わせ一石二鳥です。
ウルトラファインバブル（UFB）のシャワーヘッドにも、洗浄効果だけでなく、生理活性作用として、体内の血流を改善して、体内温度を上昇させる効果があることがわかっています。マイクロバブルのバスユニットより手軽に使えるので便利です。
まとめ
更年期（一般的に45〜55歳頃）には、加齢や女性ホルモンの減少、仕事や生活習慣の変化による精神的ストレスなどから、さまざまな体調不良が生じます。
更年期症状には、自律神経失調症に似た症状も多く、重症化すると、仕事や日常生活にも支障をきたすことがあります。
更年期の健康対策は、つらい症状が出るまえに、多少の時間とコストがかかったとしても、早めに始めるたほうがいいようです。
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